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第4回:RSウイルスワクチンについての新しい研究結果が発表されました。
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第4回:「高齢の皆さまへ RSVワクチン(アブリスボ/アレックスビー)の予防接種で呼吸器や心臓の入院を減らせるかも?」


参考文献

👉 本記事は下記の最新医学論文をもとにまとめています。Bivalent RSV Prefusion F Protein–Based Vaccine for Preventing Cardiovascular Hospitalizations in Older Adults: A Prespecified Analysis of the DAN-RSV Trial | Vaccination | JAMA | JAMA Network


はじめに

こんにちは、**戸塚クリニック(横浜市戸塚区)**です。今回は、2025年8月に医学誌 JAMA に掲載された最新研究をご紹介します。
テーマは 「高齢者におけるRSV(呼吸器合胞体ウイルス)ワクチンの予防接種が、呼吸器や心臓の入院を減らす効果はあるのか?」 という話題です。

RSVは冬に流行するウイルスで、肺炎や気管支炎を引き起こすだけでなく、心不全や循環器疾患の悪化の原因にもなります。冬の感染症対策や肺炎予防としても注目されています。


日本で使えるRSVワクチンは2種類あります

現在、日本で接種可能な 高齢者向けRSVワクチン は以下の2種類です。

  • ファイザー社製「アブリスボ筋注用(Abrysvo)」

  • グラクソ・スミスクライン社製「アレックスビー筋注用(Arexvy)」

いずれも RSVプレFタンパク質(RSVpreF) を使った最新型の不活化ワクチンで、
60歳以上の方の重症化予防や冬季の肺炎予防を目的に導入されています。


接種対象年齢と費用(自己負担額)

  • 対象年齢:原則として 60歳以上の高齢者
    (妊婦を対象とする場合もありますが、今回は高齢者向けに限った解説です)

  • 接種費用:横浜市では公費助成がないため、おおよそ1回 2〜3万円程度(自己負担) になります。


デンマークでの大規模研究(DAN-RSV試験)

今回の研究は、ファイザー社の アブリスボ(RSVpreFワクチン) を対象としたものです。

  • 対象:60歳以上の方 約13万人

  • 方法:「ワクチン接種群」と「未接種群」を比較

  • 期間:2024〜2025年の冬に実施

結果のポイント

  • 呼吸器や心臓に関わるすべての入院(肺炎、喘息、心不全など):
    → ワクチン接種で 約10%減少(統計的に有意)

  • 心臓の病気だけに限定した入院(心筋梗塞、脳卒中、心不全など):
    → 減少傾向はあるものの、統計的には有意ではなかった


日本での期待される効果

  • 日本の試算によると、このRSVワクチンの予防接種を広く導入すると

    • 医療費は 約1,761億円削減

    • 社会全体の生産性損失も含めると 約1,613億円の節約効果
      が見込まれると報告されています。

つまり、個人の健康維持だけでなく、横浜市戸塚区を含む地域社会全体の医療費負担軽減にもつながる可能性があります。特に冬季の肺炎予防・感染症対策としては、大きな役割を果たすと考えられます。


副反応について

RSVワクチン(アブリスボ/アレックスビー)の副反応は、これまでの報告では以下のようなものが多くみられています。

  • 注射部位の痛み・赤み・腫れ

  • 発熱・倦怠感・頭痛

  • 一過性の筋肉痛

いずれも数日以内に自然に治まることがほとんどです。重い副反応はまれとされていますが、体調に不安がある方は接種前に医師へご相談ください。


当院での予約方法・接種の流れ

  1. お問い合わせ
    お電話または受付窓口で「RSVワクチン希望」とお伝えください。

  2. 医師による診察・説明
    基礎疾患の有無や体調を確認し、接種の可否や注意点をご説明します。

  3. 接種予約
    ワクチンは取り寄せ制のため、日程を調整してご案内します。

  4. 接種当日
    接種後は副反応確認のため、院内で一定時間お待ちいただきます。


まとめ(表)

項目 ポイント
ワクチン名(日本) アブリスボ(ファイザー)/アレックスビー(GSK)
接種対象年齢 主に60歳以上の高齢者
費用(自己負担) 約2〜3万円/回(自治体助成の有無で変動)
主な効果 呼吸器や心臓に関わる入院を約10%減らす
心臓の病気だけへの効果 減少傾向あり(ただし有意差なし)
日本での効果 医療費・経済損失の大幅削減が期待
季節性の意味 冬の感染症対策・肺炎予防として期待
副反応 腕の痛み・発熱など軽度、重い副反応はまれ
接種の流れ 予約 →予診 → 接種 → 経過観察

戸塚クリニックからのメッセージ

今回の研究からは、「RSVワクチンは呼吸器や心臓の入院を減らす可能性がある」という明るい結果が示されました。
現在日本では アブリスボアレックスビー の2種類が使えます。

横浜市戸塚区で高齢者RSVワクチンの予防接種をご検討の方、あるいは冬の感染症対策や肺炎予防を考えている方は、ぜひ戸塚クリニックにご相談ください。


 

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