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💗 LDLコレステロールが高いと指摘されたあなたへ ― 安心できる治療の選び方をやさしく解説
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💗 LDLコレステロールが高いと指摘されたあなたへ

― 安心できる治療の選び方をやさしく解説(戸塚クリニック)


🌸 はじめに

健診で「コレステロール高値」「要精査」と指摘されて不安になっている方は少なくありません。
一方で週刊誌やテレビでは 📺「薬は不要」「高い方が元気」 といった記事もあり、迷う方が多いのも事実です。

💡 しかし世界中の研究では、LDLコレステロールを下げるほど心筋梗塞や脳梗塞のリスクが下がることが明確に示されています。


❤️ LDLと心血管リスクの関係

  • 📘 Lancet(CTT Collaboration, 2010):LDLを40mg/dL下げると主要心血管イベントが約20〜25%減少

  • 📘 NEJM(FOURIER 2017, ODYSSEY OUTCOMES 2018):より低いLDL値ほどリスクが低下

👉 「LDLは低いほど安心」 が国際的コンセンサスです。


🌍 世界のガイドライン比較

  • 🇺🇸 米国(AHA/ACC):高リスクでは 70mg/dL未満

  • 🇪🇺 欧州(ESC/EAS):超高リスクでは 55mg/dL未満

  • 🇰🇷 韓国・🇹🇼 台湾:欧米に準じ積極治療

  • 🇯🇵 日本(2023年版ガイドライン):
     - 一般的には生活習慣改善をまず行う
     - 糖尿病・心疾患・脳血管疾患の既往や高リスク患者では、生活習慣だけでなく早期から薬物治療を検討する


🤔 なぜ「薬不要論」が出るの?

📖 過去に高齢者を対象とした観察研究で「コレステロールが高い方が長生き」という結果が報告されたことがあります。
ただしこれは 特定の条件の集団(合併症の少ない一部の高齢者)に限られたものであり、すべての高齢者に当てはまるわけではありません。

👉 年齢にかかわらず、糖尿病・心疾患・高血圧などリスクを持つ方では、LDLを下げる治療が有効であることが国際的に証明されています。

つまり「高齢者だから薬が不要」ということではなく、個々のリスクを見て判断するのが正しい考え方です。


🥗🏃‍♂️💊 生活習慣と薬、両輪で考える

  • 🥗 食事

  • 🏃‍♂️ 運動

  • 🚭 禁煙

  • 😴 睡眠

10〜15%のLDL低下が期待できます。

👉 ただし、糖尿病や心筋梗塞・脳梗塞の既往がある方は「まず生活習慣だけ」では不十分で、早めに薬物治療を検討する必要があります。


💊 主なお薬と特徴(一覧表)

💊 薬の種類 ✨ 効果 🔬 仕組み
(メカニズム)
⚠️ 主な副作用 👥 対象となる
患者さん
スタチン(もっとも一般的) ✅ LDLを強力に下げ、心筋梗塞・脳梗塞を減らす 肝臓でコレステロールを作る酵素をブロック → LDLが作られにくくなる 筋肉痛、肝機能の変化(まれ) 高LDLの方、糖尿病・高血圧などリスク因子を持つ方、再発予防
エゼチミブ(飲み薬) ✅ スタチンと組み合わせるとさらに効果的 小腸でのコレステロール吸収を抑える 下痢、胃腸症状(軽度) スタチンだけで不十分な方、スタチンを増量できない方
PCSK9阻害薬(注射薬) ✅ 強力にLDLを下げ、心血管イベントを減らす LDL受容体を保護 → 血液中のLDLが効率よく回収 注射部位の赤み・かゆみ 家族性高コレステロール血症の方、スタチンやエゼチミブで不十分な高リスクの方
インクレシラン(RNA医薬・注射) ✅ 半年に1回でLDLを安定して下げる 肝臓でPCSK9産生をRNA干渉で抑制 注射部位の反応 スタチンやエゼチミブで不十分、家族性高コレステロール血症、継続的内服が難しい方

表はスクロールできます


🏥 当院の治療方針

戸塚クリニックでは、**「心血管病の予防」**を最優先に必要な方へ積極的に治療をご提案します。

🌟 ただし治療は押しつけではありません。
✔️ 患者様の意思を尊重し
✔️ 薬の効果や副作用を説明し
✔️ 納得して治療を始めていただくこと

それが私たちの役割であり、診療の成功だと考えています。


💡 Q&A

Q1. 薬を飲み始めたら一生続けるのですか?
→ 必ずしもそうではありません。生活改善で下がれば中止も可能です。ただし自己判断は危険です。

Q2. 食事だけで下げられますか?
→ 軽度なら可能ですが、糖尿病や心臓病のある方は薬物療法が必要となる場合が多いです。

Q3. 海外と比べて日本は遅れていますか?
→ 日本は生活習慣重視の傾向がありますが、2023年版ガイドラインでは高リスク患者に薬物療法を早めに行うことが強調されています。

Q4. LDLが高くても症状はありませんが?
→ 無症状でも動脈硬化は静かに進行します。突然の心筋梗塞・脳梗塞を避けるため、早めの対策を。

Q5. 別の先生には「薬はいらない」と言われましたが?
→ 医師によって考えが異なることも。当院は予防の観点から必要な方に治療を提案しますが、最終判断は患者さんと一緒に。納得して選んでいただけるようサポートします。


📚 参考文献(ハイパーリンク付き)

  1. Cholesterol Treatment Trialists’ Collaboration. Lancet. 2010;376:1670–1681

  2. Sabatine MS, et al. N Engl J Med. 2017;376:1713–1722(FOURIER試験)

  3. Schwartz GG, et al. N Engl J Med. 2018;379:2097–2107(ODYSSEY OUTCOMES試験)

  4. Grundy SM, et al. J Am Coll Cardiol. 2019;73:e285–e350(2018 AHA/ACCガイドライン)

  5. Mach F, et al. Eur Heart J. 2020;41:111–188(2019 ESC/EASガイドライン)

  6. 日本動脈硬化学会 『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド 2023年版

  7. Korean Society of Lipid and Atherosclerosis. 2022 Guideline

  8. Taiwan Society of Lipids and Atherosclerosis. 2023 Guideline

 

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