2025/09/17
「痩せ薬」じゃなくて未来の医療へ 🌸 ―― マンジャロとGLP-1薬の正しい姿
はじめに 💡
最近テレビやSNSで「痩せ薬」として紹介されることが増えたGLP-1薬。
一方で、自由診療クリニックでの安易な処方や、比較的最近にはフリマアプリ(メルカリ)での不正な出品が報じられました。
こうしたニュースが、本来は医師の管理のもとで適切に処方を受けている患者さんにまで不安を与えているのが現状です。
🔎 ここでご紹介する内容は海外を含む最新研究の成果です。日本の保険診療における適応は次のとおりです。
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マンジャロ(チルゼパチド):2型糖尿病治療のみが保険適応
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ゼップバウンド(チルゼパチド):肥満症に対して承認・保険適応(ただし厳格な条件のもとで使用可)
本来、GLP-1薬は糖尿病の治療を目的に開発された正統なお薬です。
最新の研究では血糖コントロールに加え、脂肪肝や心不全、睡眠時無呼吸症、膝痛などにも効果が期待されています。
ここでは、代表的な薬である マンジャロ(チルゼパチド) の正しい役割と最新研究をご紹介します。
GLP-1薬とマンジャロの基本 🧬
GLP-1薬のはたらき
GLP-1は「インクレチン」と呼ばれる腸から分泌されるホルモンのひとつです。
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💉 血糖が高いときにインスリンの分泌を助ける
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⬇️ 血糖を上げるホルモン(グルカゴン)を抑える
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⏳ 胃の動きをゆっくりにして食後の血糖上昇を防ぐ
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🍽️ 脳に働きかけて食欲を抑える
マンジャロ(チルゼパチド)の特徴 ⚡
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GLP-1とGIPという2種類のホルモンに作用する「二重作用」タイプ
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血糖コントロールの改善効果が高い
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血糖管理とあわせて体重や脂肪の減少も期待できる
最新研究が示すこと 📚
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🧠 精神疾患(Nature 2025)
GLP-1薬が双極性障害などに役立つ可能性
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🧪 糖尿病予防(NEJM 2025)
糖尿病予備群(血糖値が少し高めの段階)の方で、糖尿病発症リスクを94%下げ、体重減少効果も確認
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🫀 脂肪肝(NEJM 2024)
52週の投与で肝臓の炎症(MASH)が改善
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🦵 膝の痛み(NEJM 2024, セマグルチド試験)
体重減少によって膝の痛みや機能が改善
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😴 睡眠時無呼吸症(NEJM 2024 / FDA承認)
無呼吸が大幅に改善し、FDAが薬として初承認
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❤️🩹 心不全(HFpEF:NEJM 2025 / JAMA 2025)
心不全の悪化を減らし、生活の質を改善
筋肉を守る工夫も大切 🏋️♂️
体重が減ることは健康に良い影響を与えますが、同時に筋肉まで落ちてしまう心配もあります。
そのため、薬の治療と並行して運動や食事の工夫を行うことが大切です。
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無理のない筋力維持のトレーニング
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食事と運動のバランスの見直し
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年齢や体調にあわせた工夫
👉 診察時には、一人ひとりに合わせたアドバイスも可能です 🌿
まとめ ✨
マンジャロは糖尿病治療を主軸にしながら、
🧪 糖尿病発症予防
🫀 脂肪肝改善
❤️🩹 心不全改善
😴 睡眠時無呼吸症改善
🦵 膝痛改善
💪 体重コントロール
といった幅広い効果が期待される薬です。
⚠️ 重要なご注意
ここで紹介した効果の多くは海外を中心とした研究成果に基づいています。
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マンジャロ(チルゼパチド)は日本の保険診療では「2型糖尿病治療」にのみ適応
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ゼップバウンド(チルゼパチド)は肥満症で承認・保険適応があるが、厳格な条件下に限られる
つまり、本記事の研究紹介は国内の診療にそのまま適用できるわけではありません。
実際の治療については、必ず医師と相談してください。