2025/09/17
🐤 イントロダクション
近年、糖尿病治療薬として登場した「マンジャロ(一般名:チルゼパチド)」は、その強力な体重減少効果から注目されています。日本では2023年より2型糖尿病に対して保険適用されていますが、肥満症や関節痛に対しては保険適用外(自由診療)です。
一方で、海外を中心に「関節の痛みが改善する」という研究報告が出ており、関心が高まっています。本記事は、それらの研究報告を参考にした情報提供であり、現時点では正式な適応症ではないことをご理解ください。
❓ Q1. マンジャロは本当に関節痛を和らげますか?
GLP-1/GIP作動薬では、体重減少に加えて関節痛の改善が報告されています。特に膝の変形性関節症(OA)では、痛みや機能の改善が臨床試験で示されています。
▶ 参考:セマグルチドが膝OAの痛み・機能を改善(NEJM, 2025)
❓ Q2. 膝や股関節の痛みは、体重が減ったから軽くなるだけでは?
膝や股関節のような荷重関節では、体重減少により物理的ストレスが減ることが大きな要因です。
しかし「手指」など非荷重関節の痛みまで改善がみられるケースもあり、これは体重減少以外の作用を考える必要があります。
🧩 Q3. 非荷重関節の痛み改善の仕組みは?
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🌼 全身炎症の抑制
GLP-1作動薬は炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-αなど)を減らすことが示されています。
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🍀 脂肪組織からの炎症ホルモン(レプチンなど)の是正
肥満は手のOA進行にも影響します。体脂肪が減るとレプチンなどが低下し、手指の関節にも効果が及ぶと考えられます。
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🌈 神経系を介した痛みの感じ方の調整
GLP-1受容体は中枢神経にも存在し、痛みの感覚そのものを和らげる作用が報告されています。
📊 Q4. マンジャロ(チルゼパチド)に関する研究は?
国際学会(EULAR 2025)で、チルゼパチド投与後に関節痛が改善し、鎮痛薬使用が減少したことを示す抄録が報告されています(POS0209)。
▶ 参考:チルゼパチドと関節痛:抄録(2025)
🌟 Q5. まとめ
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🦵 荷重関節(膝・股関節):体重減少で負担軽減
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✋ 非荷重関節(手・指):炎症抑制・脂肪ホルモン是正・神経性鎮痛
マンジャロは「痩せる」以上に、全身の炎症や痛み感覚に作用する可能性があります。
ただし、日本では糖尿病以外には保険適用外であり、本記事は研究報告を参考にまとめたものです。治療を希望する場合は必ず医師にご相談ください。