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マンジャロ(チルゼパチド)と関節痛改善 ― 膝だけでなく手の痛みも良くなるのはなぜ?
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🐤 イントロダクション

 

 

近年、糖尿病治療薬として登場した「マンジャロ(一般名:チルゼパチド)」は、その強力な体重減少効果から注目されています。日本では2023年より2型糖尿病に対して保険適用されていますが、肥満症や関節痛に対しては保険適用外(自由診療)です。

一方で、海外を中心に「関節の痛みが改善する」という研究報告が出ており、関心が高まっています。本記事は、それらの研究報告を参考にした情報提供であり、現時点では正式な適応症ではないことをご理解ください。

 


 

 

❓ Q1. マンジャロは本当に関節痛を和らげますか?

 

 

GLP-1/GIP作動薬では、体重減少に加えて関節痛の改善が報告されています。特に膝の変形性関節症(OA)では、痛みや機能の改善が臨床試験で示されています。

▶ 参考:セマグルチドが膝OAの痛み・機能を改善(NEJM, 2025)

 


 

 

❓ Q2. 膝や股関節の痛みは、体重が減ったから軽くなるだけでは?

 

 

膝や股関節のような荷重関節では、体重減少により物理的ストレスが減ることが大きな要因です。

しかし「手指」など非荷重関節の痛みまで改善がみられるケースもあり、これは体重減少以外の作用を考える必要があります。

 


 

 

🧩 Q3. 非荷重関節の痛み改善の仕組みは?

 

 

  1. 🌼 全身炎症の抑制

    GLP-1作動薬は炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-αなど)を減らすことが示されています。

    ▶ 参考:GLP-1/GLP-1R軸と変形性関節症(総説, 2022)

  2. 🍀 脂肪組織からの炎症ホルモン(レプチンなど)の是正

    肥満は手のOA進行にも影響します。体脂肪が減るとレプチンなどが低下し、手指の関節にも効果が及ぶと考えられます。

    ▶ 参考:肥満と手OAをつなぐレプチン(研究, 2024)

  3. 🌈 神経系を介した痛みの感じ方の調整

    GLP-1受容体は中枢神経にも存在し、痛みの感覚そのものを和らげる作用が報告されています。

    ▶ 参考:GLP-1作動薬の鎮痛メカニズム(総説, 2025)

 

 


 

 

📊 Q4. マンジャロ(チルゼパチド)に関する研究は?

 

 

国際学会(EULAR 2025)で、チルゼパチド投与後に関節痛が改善し、鎮痛薬使用が減少したことを示す抄録が報告されています(POS0209)。

▶ 参考:チルゼパチドと関節痛:抄録(2025)

 


 

 

🌟 Q5. まとめ

 

 

  • 🦵 荷重関節(膝・股関節):体重減少で負担軽減

  • ✋ 非荷重関節(手・指):炎症抑制・脂肪ホルモン是正・神経性鎮痛

 

 

マンジャロは「痩せる」以上に、全身の炎症や痛み感覚に作用する可能性があります。

ただし、日本では糖尿病以外には保険適用外であり、本記事は研究報告を参考にまとめたものです。治療を希望する場合は必ず医師にご相談ください。

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