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🎀💕 えっ、血液でアルツハイマー診断? 日本の現状と最新研究 🎀💕
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🌱 はじめに ― 身近な心配ごとから

皆さんは「もし自分や家族が認知症になったら…」と考えたことはありますか?
どんな検査で診断されるのか、どんな治療があるのか、不安に思われる方も多いでしょう。

実際、認知症は誰にとっても身近な病気になりつつあります。
「物忘れが増えた気がする」「家族の様子が以前と違う」――そんなとき、受けられる検査や治療は日々進歩しているのです。

 

本記事では、今の日本の現状世界の最新研究をふまえて、「認知症の診断と治療の最前線」をわかりやすくご紹介します。

 

 

🏥 今の日本での主流は?

2025年現在の日本では、認知症の診断に最も多く使われているのは MRI(磁気共鳴画像検査)やCT(コンピュータ断層撮影)による脳の構造の確認 と、問診・認知機能テスト です。

これに加えて、必要に応じて以下の検査が行われます:

  • SPECT(単光子放射断層撮影):脳血流の分布を評価し、アルツハイマー型やレビー小体型などの鑑別を補助

  • PET(陽電子放射断層撮影):研究的に使われることが多い。特にアミロイドPETは2023年以降、新薬投与を検討する場合に限り保険適用

👉 日本の現場では「まずMRIやCTで脳の状態を確認し、必要に応じてSPECTやPETを追加する」流れが一般的です。


📰 世界の医学誌が伝える新常識

近年、世界トップレベルの医学誌で「血液検査によるアルツハイマー病診断」が相次いで報告されています。

  • The Lancet(2025年) は、血液バイオマーカー診断の臨床検証をまとめ、診断精度が 90〜95% に到達可能であると報告しました。これは従来のMRIやCTでは到達できなかった水準です。

  • Nature Medicine(2025年) では、血漿中の p-tau217 を全自動プラットフォームで測定する研究が発表されました。AUC(診断精度の指標)が 0.93〜0.96 と非常に高く、PETや髄液検査に匹敵する精度を示し、日常診療への導入が現実味を帯びています。

👉 血液一滴でアルツハイマー病の診断に迫る という夢のような技術が、いま現実になりつつあります。
ただし、日本ではまだ研究段階であり、実際の臨床導入には時間がかかります。


Q&Aで学ぶ最新情報

❓ Q1. 昔の診断法とその限界は?

昔は「症状を聞く」「記憶テストをする」「MRIで脳を撮る」といった間接的な方法が中心で、精度は6〜7割ほどでした。


🧪 Q2. 今の診断はどう進化したの?

現在の主流は3つ:

  • PET検査:代謝や異常たんぱくを画像化

  • CSF検査(脳脊髄液検査):腰から少量採取し、異常たんぱくを調べる

  • 血液検査(p-tau217など):海外で実用化が進むが、日本では未導入

これらを組み合わせると診断精度は 90〜95% に。


🔬 Q3. 血液検査はどれくらい信頼できる?

p-tau217はPETやCSFと同等以上の精度とされ、指標AUC(診断精度指標)は 0.89〜0.96 と高値。
ただし単独ではなく、年齢や症状と組み合わせて判断します。


💊 Q4. 日本での現状と新薬レカネマブ

  • 血液バイオマーカー:日本では研究段階。ただし医学的には有望

  • PET/CSF検査:保険は限定的

  • レカネマブ(Leqembi):2024年末より保険適用。
     薬価は 500mg製剤 114,443円/本。体重50kgの患者に2週ごと投与(年間26回)すると、年間薬価は 約298万円
     さらに2025年11月以降、薬価15%引き下げ予定 → 年間約253万円 となる見込み。


🦠 Q5. コロナ禍で認知症は増えたの?

  • 外出制限・孤立で認知機能低下が加速

  • MCI患者でMMSE(簡易認知機能検査)の点数が有意に低下

  • 高齢者の74%が運動不足・孤独・睡眠障害を経験

  • COVID-19感染は新規認知症リスクを約1.6倍に


🏃 Q6. 予防はできるの?

世界的に「認知症の約45%は予防可能」。

  • 血圧・血糖の管理

  • 適度な運動

  • 禁煙・節酒

  • 難聴や視力低下を放置しない

  • 家族や地域での交流


👪 Q7. 家族が診断されたらどうすれば?

「一人で抱え込まない」ことが大切です。

  • 他医の意見(セカンドオピニオン)は希望があれば

  • 新薬+従来薬の選択肢を確認

  • 生活習慣の工夫

  • 介護サービスの早期利用
     👉 戸塚区では 上矢部地域ケアプラザ(☎045-814-0811) で相談可能

  • 介護する家族自身のケアも重要


⏳ Q8. 早期診断は本当に有用?

早期診断で薬や生活改善の可能性は広がります。
ただし現実には「家族が“おかしい”と気づいた時点で、すでに進行している」ことも少なくありません。
それでも “慌てず冷静に医療につなげる” ことが最善の第一歩です。


💡 Q9. アリセプト(ドネペジル)はまだ使われているの?

はい。記憶や注意力を一時的に改善する薬ですが、進行を止める薬ではありません。

  • 日本では今も標準薬

  • フランスでは2018年に費用対効果の理由で公的補償から外れています


🖼 日本における画像検査の現状

  1. MRI/CT:標準検査。脳萎縮や腫瘍、血管障害を評価

  2. SPECT:脳血流の偏りを補助的に確認。保険適用あり

  3. FDG-PET:ブドウ糖代謝PET。認知症目的では保険適用外

  4. アミロイドPET/タウPET:異常たんぱくの蓄積を可視化。新薬投与を検討する場合に限り、アミロイドPETが保険適用


🌸 まとめ

  • 日本の現場では「MRIやCT+SPECT」が主流

  • 世界では血液検査(p-tau217など)が注目され、診断精度は90%以上に

  • LancetやNatureの最新報告でも「血液で診断に迫れる」ことが明らかに

  • レカネマブは年間約298万円(体重50kg想定、2025年11月以降は約253万円に引き下げ予定)

  • 家族が気づいた時点で進行していることも多いが、“慌てず受診”がベスト

  • 戸塚区では 上矢部地域ケアプラザ(☎045-814-0811) が地域の相談窓口

戸塚クリニックは、世界の最新知見と日本の現場の実情をふまえ、患者さんとご家族をサポートしていきます。


📚 参考文献・引用記事

  1. 新潟大学:認知症バイオマーカー指針(2025年)

  2. Sysmex:血液バイオマーカー解説

  3. Nature Medicine 2024:p-tau検査とCSF比較

  4. Medical Onlineレビュー:p-tau217

  5. Carenet記事:超早期診断p-tau217

  6. 認知症予防学会:血液バイオマーカー診断

  7. いまいるも:レカネマブ保険適用

  8. 認知症プラットフォーム:レカネマブ薬価

  9. NHKニュース(2025年7月):レカネマブ薬価引き下げ

  10. Lancet Commission 2020:認知症予防

  11. JAMA Neurology:早期 vs 遅発診断

  12. HAS France:アリセプトの費用対効果

  13. The Lancet:Blood biomarkers for Alzheimer’s disease diagnosis — clinical validation (2025)

  14. Nature Medicine:Plasma phospho-tau217 for Alzheimer’s disease diagnosis (2025)

 

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