2025/09/26
🧠 マスコミに騙されない!降圧剤・スタチンの本当の効果
~週刊誌の“煽り”が生む医療被害を防ぐために~
こんにちは。戸塚クリニックの院長 村松 賢一 です。
📚 週刊誌やネットでは「スタチンは危険」「降圧剤は飲まない方がいい」といった記事が繰り返し出ます。
しかし、それらの多くは 事実の一部を誇張し、不安を売り物にしている にすぎません。
❗問題は、それを真に受けて薬をやめてしまった人に「現実の被害」が起きていることです。
📺 なぜマスコミは不安を煽るのか?
1. 読者層が非常に広いから
降圧剤やスタチンは、日本で最も処方されている薬の代表格です。
高血圧の患者さんは約4,300万人、脂質異常症は約2,200万人(厚労省推計)。
つまり「飲んでいる人が多い薬=読者が反応しやすい題材」。
多くの人が関心を持つテーマを取り上げることで、雑誌の売上やネット記事のPVが伸びやすいのです。
2. 「副作用ネタ」は刺激的で売れる
「薬をやめれば自然治癒力が高まる」「副作用で死亡するかも」という見出しは、人の恐怖を直撃します。
特に 数字やデータの一部だけを切り取って誇張 することで、実際より危険に見せかけるのが常套手段です。
3. 読者心理に迎合している
多くの人は「できれば薬を飲みたくない」と思っています。
その心理に寄り添うように「薬をやめた方がいい」という言葉を並べると、心地よく感じてしまう読者も少なくありません。
これが結果的に記事の拡散につながります。
4. 医学的バランスを欠いた情報発信
本来なら「メリットとリスクの両面」を伝えるべきですが、副作用やリスクばかりを取り上げます。
「服薬継続で救われている膨大な数の人々」についてはほとんど触れません。
結果的に、現場の臨床データや大規模研究と乖離した記事が世に出てしまいます。
👉 つまり、「薬が本当に危ないから」ではなく、「読者が記事を買ってくれるから」繰り返し取り上げられている に過ぎません。
🔍 マスコミ報道が招く“医療被害”
1. 命に関わる被害
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降圧薬をやめて脳梗塞を起こした60代男性
雑誌記事を信じて服薬を中止。数か月後に脳梗塞を発症し、半身麻痺が残りました。
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スタチンをやめて心筋梗塞を起こした70代女性
「コレステロールは高い方が元気」というネット記事を信じて中止。半年後に心筋梗塞を発症し、心機能が落ちました。
2. 🏥 後遺症という“長い被害”
脳梗塞や心筋梗塞は、一度起こると 麻痺や心不全などの後遺症が一生残る ことが少なくありません。
3. 信頼関係の崩壊
「医師は製薬会社のために薬を出す」といった誤情報が、患者さんと医師の信頼を壊し、必要な治療を拒否させてしまいます。
🩺 院長が実際に経験した典型例
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降圧薬を中止した患者さんが、数か月後に脳卒中を発症。
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スタチンをやめた患者さんが、心筋梗塞を起こして入院。
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「薬は不要」という情報を信じて降圧薬を中止した方が、頭痛やめまいに苦しみ再受診。
👉 これらは私が診療の中で実際に経験した「薬をやめたことによる典型的な健康被害」です。
「薬が危ない」のではなく、「薬をやめること」が危険 だと強く実感しています。
📊 降圧剤とスタチンの確かなメリット
💊 降圧剤(血圧を下げる薬)
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血圧を10mmHg下げると脳卒中リスクが約40%減少することが大規模研究で証明されています。
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心筋梗塞や心不全の予防効果があり、特に糖尿病や腎臓病を合併している方にとっては「命を守る薬」です。
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腎臓を守り、人工透析を回避できる可能性を高めます。
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最新の薬は副作用が少なく、安全性が向上しています。
👉 「血圧を下げる=寿命を延ばす」ことに直結する薬 です。
💊 スタチン(コレステロールを下げる薬)
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LDLコレステロールを20〜50%下げ、動脈硬化の進行を抑えます。
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心筋梗塞や脳梗塞の一次予防だけでなく、再発予防効果も確立しています。
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血管内のプラークを安定化させ、破裂による急性心筋梗塞を防ぎます。
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海外・国内の大規模研究で、死亡率そのものを下げる ことが証明されています。
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長期服用による恩恵は非常に大きく、生活の質(QOL)を守る力があります。
👉 「コレステロールを下げる=血管を守る」ことに直結する薬 です。
❌ マスコミの見出し vs ✅ 医学的事実
❌ マスコミの見出し |
✅ 医学的事実 |
---|---|
「降圧剤は一生やめられない」 |
継続は“未来の命を守る投資” |
「スタチンは危険」 |
副作用は稀、メリットが圧倒的に上回る |
「コレステロールは高い方が元気」 |
LDLが高いほど動脈硬化が進む |
「薬をやめれば自然治癒力が高まる」 |
自己判断で中止すると発症リスク増大 |
📌 まとめ
降圧剤やスタチンは「薬漬け」ではなく、未来を守る薬 です。
最大のリスクは「薬をやめること」。それが“マスコミによる医療被害”なのです。
当院では、ただ薬を出すだけでなく、患者さん一人ひとりの生活や価値観に合わせて「どうすれば安心して服薬を続けられるか」を一緒に考えています。
💡 血圧やコレステロールの数値が安定し、脳梗塞や心筋梗塞を予防しながら日々を安心して過ごせる――その未来を支えるのが、戸塚クリニックの診療です。
👉 「薬が不安」「本当に飲み続ける意味があるの?」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。
きっと、安心して未来に希望を持てるヒントを見つけられるはずです。
🔗 信頼できる実例・研究(薬中止による健康被害)
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Statin Discontinuation and Cardiovascular Events Among Older People. JAMA Netw Open. 2021
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Discontinuation of Statin Therapy and Clinical Outcome. Stroke. 2007
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Effect of Statin Withdrawal on Frequency of Cardiac Events. Am J Cardiol. 2007
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Withdrawal of Antihypertensive Medication: Adverse Events. J Hypertens. 2017
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Stopping Antihypertensive Treatment among Hypertensive Patients. Eur J Prev Cardiol. 2025