2025/09/29
💉チルゼパチド最新研究!“マンジャロ”と“ゼップバウンド”の真実 ― 体重18kg減は何を意味するのか❓
🔗 原著論文はこちら → International Journal of Obesity(2025年9月27日発表)
こんにちは、戸塚クリニック院長の村松です😊
当院でもすでに GLP-1薬の新しい可能性 について紹介してきました:
今回はその延長として、2025年9月27日に Nature 系列の国際専門誌「International Journal of Obesity(IJO)」に掲載された最新のシステマティック・レビューとメタ解析 をご紹介します。
📊 今回の研究の特徴
この研究は単発の臨床試験ではなく、複数の大規模臨床試験(SURMOUNT・SURPASS試験群など)をまとめて解析したものです。
-
🔍 システマティック・レビュー:世界中の研究を集め、信頼できるものだけを厳選
-
📈 メタ解析:それらを統合して統計的に解析し、全体の傾向を導き出す
👉 バラつきのある研究をまとめて「総合的に信頼できる結論」を出す方法であり、エビデンスレベルの高い研究とされています。
🌍 研究の概要
-
👥 対象人数:合計 6,641人
-
糖尿病あり:2,174人
-
糖尿病なし:4,467人
-
-
🧪 投与量:週1回皮下注射、5mg・10mg・15mg群が中心
-
📍 主な参加地域:アメリカ・ヨーロッパ(アジア人は少数)
-
⚖️ 平均体重:90〜105kg前後(BMI30以上の高度肥満が大半)
-
⏳ フォロー期間:半年以上、最長で72週
👉 欧米の肥満者を対象にしているため「体重18kg減」という数字は、日本人にとっては絶対値よりも**割合(15〜20%減)**で考えると理解しやすいです。
📉 結果:体重はどのくらい減った?
-
糖尿病あり → 平均 体重 −9.06kg
-
糖尿病なし → 平均 体重 −18.11kg
さらに:
-
✅ HbA1c の低下(平均 −0.6〜1.0%)
-
✅ 収縮期血圧の改善(−6〜8 mmHg)
-
✅ 中性脂肪の低下、HDLの上昇
👉 単に「痩せる」だけでなく、糖尿病や高血圧、脂質異常といった生活習慣病リスクをまとめて改善できる点が大きな臨床的意義です。
❓ 患者さん目線でのQ&A
Q1. 🇯🇵 日本人も体重18kg減らせるの?
→ 日本人では絶対値として18kgは出にくいですが、15〜20%減 という割合で考えると十分な効果が期待できます。
Q2. 💉 注射を打てば必ず痩せるの?
→ 注射だけで痩せる魔法の薬ではありません。
研究参加者は全員、食事や運動など生活習慣改善を組み合わせていました。
Q3. 🏥 日本でゼップバウンドをすぐに使える?
→ ゼップバウンドは承認済みですが:
-
限られた医療機関のみ処方可能
-
BMIや合併症などの条件あり
-
誰でもすぐに使える状況ではありません
Q4. 🤢 副作用は大丈夫?
→ 吐き気・下痢・便秘が中心で、多くは軽度〜中等度。
まれに膵炎や胆のう疾患もあるため、医師の管理下での使用が必須です。
Q5. 🔄 リバウンドしないためには?
→ 薬をやめると体重が戻りやすいことが知られています。
リバウンド防止には:
-
🚶♂️ 有酸素運動を続ける
-
🏋️♀️ 筋トレで筋肉量を維持
-
🍎 高たんぱく・野菜中心の食事
-
🛌 睡眠・ストレス管理
👉 薬は「減量のきっかけ」であり、痩せた体を維持する習慣づくりが本当のゴールです。
Q6. 🥗 普通のダイエットと何が違うの?
→ 食欲ホルモンに作用して、自然に食欲を抑えられる点が大きな違いです。
Q7. ⚠️ 体重が減りすぎて危険では?
→ 栄養失調は少ないですが、定期的な検査と診察で安全を確認することが大切です。
Q8. 👵 高齢者でも使えるの?
→ 可能ですが、筋肉量の減少やフレイルに注意が必要です。
Q9. 💊 飲み薬はないの?
→ 現在は注射が主流ですが、飲み薬タイプのGLP-1/GIP薬も開発中です。
📝 院長まとめ
-
✅ チルゼパチドは 糖尿病ではマンジャロ、肥満ではゼップバウンド
-
✅ 両薬とも 保険適応あり(美容目的の自費診療は対象外)
-
✅ 最新の International Journal of Obesity(Nature 系列, 2025年9月27日)では「糖尿病なしで平均18kg減」という結果
-
✅ 欧米肥満者のデータで、日本人は「体重の15〜20%減」が目安
-
✅ 体重減少に加え、HbA1c・血圧・脂質も改善
-
✅ 薬は補助であり、生活習慣改善が治療の基本
-
✅ リバウンド防止には 運動・筋トレ・生活習慣の工夫 が重要
当院では、糖尿病の患者さんに対してマンジャロを処方しています。
肥満症に対するゼップバウンドは対象外ですが、生活習慣改善や最新医学の知見を踏まえたアドバイスは行っています。
糖尿病治療の一環として体重管理に関心のある方は、ぜひご相談ください。
ご不安な方も、まずはお気軽にご相談ください😊
一緒に健康的な未来をつくっていきましょう。