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研究でわかった「肥満治療薬」の効果と安全性
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研究でわかった「肥満治療薬」の効果と安全性

― 💊ウゴービと💉ゼップバウンドを中心に ―

イントロ 📖

肥満は見た目だけでなく、糖尿病・高血圧・脂肪肝・心臓病など、さまざまな生活習慣病のリスクを高める重大な病気です。
最近では、食事や運動だけでは十分に改善が難しいケースで、薬による肥満治療が注目を集めています。

当院のブログでもこれまでに、

といったテーマを取り上げてきました。
今回はその総まとめとして、2025年10月に発表された**国際的な大規模研究(約6万人分)**をもとに、
肥満治療薬の効果と安全性を整理し、日本で利用できる薬についても解説します。

👉 原著はこちら → Nature Medicine 論文(2025年10月2日公開)


Q1. 今回の研究は? 🔍

2025年10月に発表された大規模研究では、世界56本の臨床試験・約6万人分のデータを分析。
「どの肥満治療薬がどれくらい効き、安全なのか」が整理されました。


Q2. どんな薬?どんな仕組み? ⚙️

  • 💊 セマグルチド(ウゴービ/オゼンピック)
     → 「ウゴービ」は肥満症治療薬として承認・保険適用あり。
     → じつは同じ成分セマグルチドは、糖尿病治療薬「オゼンピック」としても認可されています。
     → GLP-1ホルモンを真似して働き、食欲を抑え、満腹感を長持ちさせる薬。

  • 💉 チルゼパチド(ゼップバウンド/マンジャロ)
     → 「ゼップバウンド」は2024年に日本で肥満症治療薬として承認・保険適用開始。
     → 同じ成分チルゼパチドは、糖尿病治療薬「マンジャロ」としても既に認可されています。
     → GLP-1に加えてGIPというホルモンも刺激する“二重作用”で、食欲抑制+血糖改善に強力な効果

  • 🩺 リラグルチド(ビクトーザ/サクセンダ)
     → 糖尿病薬「ビクトーザ」は承認済みですが、肥満症薬「サクセンダ」は未承認。

  • 🍔 オルリスタット(ゼニカル) → 日本未承認。脂肪の吸収をブロック。

  • 🧠 ナルトレキソン+ブプロピオン(コントラーブ) → 日本未承認。脳に作用して食欲を抑える。

  • フェンテルミン+トピラマート(キュシミア) → 日本未承認。食欲抑制+代謝改善。


Q3. どれくらい体重が減る? ⚖️

  • 💊 ウゴービ(セマグルチド):約12%減少(1年後)

  • 💉 ゼップバウンド(チルゼパチド):15〜20%減少(1年後) ← 最強クラス

  • 🩺 リラグルチド:5〜8%程度

  • 🍔 オルリスタット:3〜5%程度

👉 ウゴービとゼップバウンドが特に強力。チルゼパチドは「セマグルチドを上回る効果」を示した試験もあります。


Q4. やめたらどうなる? 🔄

薬を中止すると、減った体重の40〜60%が戻ることが多いと報告されています。
肥満は「短期で治す」ものではなく、**高血圧や糖尿病と同じ“長期管理が必要な病気”**です。


Q5. 体重以外の効果は? 🌟

  • ❤️ 心臓・血管:セマグルチドで心筋梗塞や脳卒中リスクが低下。

  • 🩸 血糖:チルゼパチドは HbA1c を 1.5〜2.0%改善

  • 😴 睡眠:チルゼパチドで睡眠時無呼吸が改善。

  • 🍷 肝臓:脂肪肝(NASH/MASH)改善にチルゼパチドが有望。

  • 🦵 関節痛:体重減少で膝や手の痛みが改善する報告も。


Q6. 副作用は? ⚠️

  • 一番多いのは 吐き気・下痢・便秘 などの消化器症状。

  • 中止率:ゼップバウンド 6.1%、セマグルチド 8.0%

  • 重い副作用は少なく、うつ病や自殺リスクの増加も確認されていません。


Q7. 日本で使える薬は? 🇯🇵

  • 承認・保険適用あり
     ・ウゴービ(成分:セマグルチド → 糖尿病薬オゼンピックと同じ)
     ・ゼップバウンド(成分:チルゼパチド → 糖尿病薬マンジャロと同じ)

  • 未承認
     ・サクセンダ(リラグルチドの肥満適応)
     ・コントラーブ、キュシミア、オルリスタット


まとめ 📝

  • **ウゴービ(セマグルチド)とゼップバウンド(チルゼパチド)**は、日本でも保険で使える肥満症治療薬。

  • それぞれ、もともと糖尿病薬として承認されている成分を応用しており、効果と安全性が豊富なデータで裏付けられています。

  • 強力な効果がある一方で、中止するとリバウンドしやすく、長期的に取り組む治療が必要です。

  • 体重減少に加え、心臓・血糖・肝臓・睡眠・関節などにも良い影響が期待されます。


⚠️ 重要なお知らせ
当院では肥満症治療薬(ウゴービやゼップバウンド等)の処方は行っておりません。
ただし、薬物治療を希望される方は、ご相談のうえ適切な専門施設へご紹介可能です。


院長からのメッセージ 🌱💪

肥満治療薬は確かに強力ですが、やはり土台は 食事・運動・生活習慣です。

私自身も筋トレや食事管理を続けていて、体脂肪率は 11〜13%をキープ中
でも正直、夜中にアイスを見つめて「今日はご褒美だよな…?」と自問する日もあります🍦😅

健康づくりは、失敗してもまた立て直せばいい。完璧でなくて大丈夫です。

だから、次にお会いしたときはぜひこう言ってください。
「先生、昨日お菓子食べちゃいました!」
そしたら私は笑いながら答えます。
「じゃあ今日は一緒に“リセットの日”にしましょうね!」

 

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