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💉阪神優勝!でも医療費でも優勝? コロナワクチン定期接種で広がる“自治体格差ニッポン”の現実
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💉阪神優勝!でも医療費でも優勝? コロナワクチン定期接種で広がる“自治体格差ニッポン”の現実

こんにちは、戸塚クリニック院長の村松です。

この秋から新型コロナワクチンが正式に定期接種となりました。
しかし、これまで国が全額負担していた時代とは違い、2025年度からは自治体ごとに自己負担額が大きく異なる状況になっています。

たとえば横浜市では7,000円。
一方で、福島県の飯舘村のように高齢者無料の自治体もあり、東京都23区でも無料の区が多く見られます
そして政令市都市間の比較で最高額は?――そう、介護保険料も日本一の大阪市で12,000円!
さすが「笑いとツッコミの都」、医療費でもトップを走ります。
(阪神タイガースが優勝したので、まあ良しとしましょう🐯)

🩺 2025年の医学データ ― 「打つ価値」はまだ十分ある

「もう打たなくてもいいのでは?」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、2025年の科学的データを見ると、まだ明確な意義があります。

2025年10月8日付の NEJM(New E​ngland Journal of Medicine)掲載論文
“Association of 2024–2025 Covid-19 Vaccine with Covid-19 Outcomes in U.S. Veterans” は、米国退役軍人(VA:U.S. Department of Veterans Affai​rs)29万人超を対象とした大規模調査です。

この研究では、コロナワクチンとインフルエンザワクチンを同日に接種した群と、インフルエンザワクチンのみを接種した群を比較。両群とも前年度にワクチン接種歴があり、接種後180日(約6か月)間の経過を追跡しました。

評価項目 リスク減少率 解説
救急受診 約25〜30%減 発症後の救急搬送や外来受診を有意に減少。
入院 約35〜45%減 高齢者・心疾患・糖尿病患者などで効果一貫。
死亡 約60〜65%減 全死亡率ベースでも有意差あり。
感染(発症) 約30〜40%減 感染自体も一定程度抑制。

さらにCDC(Centers for Disease Control a​nd Prevention:米国疾病予防管理センター)による報告でも、ワクチン接種後3〜6か月間にわたり重症化率が約50%低下し、ブースター接種により再び予防効果が強まることが示されています。

📘 略語解説
・NEJM:世界で権威ある医学誌(New E​ngland Journal of Medicine)
・VA:米国退役軍人省(U.S. Department of Veterans Affai​rs)
・CDC:米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control a​nd Prevention)

💉 現在日本で接種できる主なワクチン(2025年10月時点)

商品名 製薬会社 種類 対応株 特徴
コミナティ® ファイザー mRNA LP.8.1, JN.1 実績あり。当院採用。
スパイクバックス® モデルナ mRNA LP.8.1 効果高め、副反応やや強め。
ダイチロナ® 第一三共(国産) mRNA(RBD単価) XEC 国産、XEC株対応。
コスタイベ® 明治ファルマ 自己増幅mRNA XEC 長期免疫に期待。
ヌバキソビッド® 武田薬品 組換えタンパク LP.8.1 不活化型で副反応少なめ。

🩹 当院では、誤接種防止と管理効率のためファイザー製(コミナティ®)を採用しています。

💴 自治体ごとの費用差 ― “医療格差”の現実

2025年10月時点、全国での自己負担額は次のように分かれています。

地域分類 自己負担額(概算) 主な自治体例 備考
東京都区部 0〜2,500円 千代田・港・渋谷:無料/文京:2,500円 区独自補助で格差小。
政令指定都市 約3,000〜12,000円 横浜・川崎・相模原:7,000円/大阪市:12,000円(全国最高) 多くは3,000〜7,000円、上限は大阪。
地方中核都市 3,000〜8,000円 新潟・岡山・静岡など 財政力で差が拡大。
福島県内 0〜7,500円 飯舘村:0円/郡山:4,700円/会津坂下町:7,500円 同一県内でも差が顕著。

🗾 福島県に見る“地域間格差”の構造

福島県では、同じ県内でも最大7,500円の差が続いています。飯舘村は無料、郡山市は4,700円、会津坂下町は7,500円。
この差は単に「補助の有無」ではなく、自治体の財政力・人口構成・高齢化率・手続き方式の違いが背景にあります。

要因 背景 影響
財政力 自治体の歳入・基金の差 無料制度維持の可否を左右
人口構成 高齢化率が高いほど対象者増 財政負担増大
手続き方式 申請制/自動減免制 情報格差・利用率差
医療体制 会場数やアクセス性 接種率の地域差

📄 参考資料:日本共産党福島県議団(2025年10月6日報告書)

🌎 米国の取り組み ― 「どこでも、すぐに打てる社会」

アメリカでは、メディケア・メディケイド・民間保険すべてで自己負担ゼロが原則です。さらに、無保険者にも連邦補助が適用され、ドラッグストアやスーパーで予約不要・即日接種が可能。

つまりアメリカでは、「病院で打つ」ではなく、「日常生活の延長で打つ」仕組みが整っています。薬剤師による接種も認められ、EHR(電子カルテ)で全国共有されています。

一方日本では、医師の診察後でのみ接種可能で、薬局接種は法的に認められていません。この制度の違いが、費用だけでなく“時間と距離”の格差を広げています。

関連ブログ:🏥 オレゴンのメディケアと日本の高齢者医療費

🧩 制度改善のヒント

提案 内容 メリット
全国統一の自己負担上限 高齢者上限3,000円など 公平性を即時確保
所得連動スライド制 非課税世帯は自動無料 社会的納得感が高い
自動減免制度 マイナンバー連携で申請不要 情報弱者の救済
冬季限定キャップ 流行期だけ負担軽減 財政効率化
財政弱自治体への交付金 小規模自治体支援 地域均衡の維持

📚 用語ミニ解説
・窓口負担の均てん化:全国で自己負担をおおむね統一すること。
・上限設定(キャップ):国が最大自己負担額を定める制度。
・自動減免:非課税世帯などに申請不要で軽減を適用する方式。

🩺 まとめ ― 「打つ自由」と「守られる権利」をどう両立するか

ワクチンは、重症化・死亡リスクを軽減させる一方で、自治体ごとの費用や制度の差が広がっています。

感染症対策は「自治体の努力」ではなく「国の責任」。
国民皆保険の原則が崩れないよう、公平な医療アクセスを守る仕組みづくりが求められています。

「どこに住んでも、命の重みは同じ。」
医療政策の根底にあるこの理念を、次の世代へつなげたいと思います。

🇮🇳🌺✨🌈🌞🪔🎵🎨

今週も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
三連休(2025年11月11日〜13日)は少し旅気分で心をインドへ。
ガンジス川の朝、静寂の中に響く鐘の音。
もし時間が許すなら、北の街アムリトサルへ――
黄金の寺院の水面に映る朝日を見つめながら、自分の“いま”を静かに見つめ直してみたい。

🩺 安心してください。11日(土)は診療してます!😎✨
(※パンツではなく白衣を着ています👨‍⚕️)

次回の更新は来週火曜日以降となります。
ではまた次回―― Namaste(ナマステ)🇮🇳🙏💫🕉️🎶

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