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脂肪肝(MASLD/旧NAFLD)と言われて不安です、そんなあなたへ ―― 運動は最高の自己投資【第三弾】
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【横浜・戸塚駅西口 徒歩10分/駐車場あり】
内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科|戸塚クリニック
(院長:村松 賢一)

当院は「内科のかかりつけ」として、
高血圧・糖尿病などの生活習慣病や体調不良、
甲状腺を含む内分泌のご相談まで幅広く対応しています。

予約優先制ですが、予約なしでも受診可能です。
(予約をおすすめする理由は待ち時間を短くするためです。
混雑時はお待ちいただく場合がありますが、症状に合わせて柔軟に対応します)

症状が気になる方は、ご都合のよいタイミングでお越しください。

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脂肪肝(MASLD/旧NAFLD)と言われて不安です、そんなあなたへ
―― 運動は最高の自己投資【第三弾】

(初出:2025年12月3日|改訂:2025年12月28日時点の知見に基づく)


🔰 まず結論から(大切なポイント)

  • 脂肪肝(MASLD)は肝臓だけの病気ではありません
  • いちばん注意すべき合併症は 心筋梗塞・脳卒中 です
  • 体重があまり変わらなくても、運動で体の中は先に改善します
  • 日本では現時点で、運動と生活習慣の見直しが治療の中心です

図1|脂肪肝は「全身の病気」です

MASLDは全身の代謝異常。脂肪肝から心筋梗塞や脳卒中、糖尿病のリスクが高まる仕組み
▲ 「肝臓」からのSOSは、「心臓・血管」への危険信号でもあります。

脂肪肝(MASLD)は「肝臓に脂肪がたまっている状態」と説明されがちですが、実際には全身の代謝の乱れが背景にあります。

脂肪肝と一緒に起こりやすいのは以下の病気です。

  • 心筋梗塞・脳卒中
  • 高血圧・糖尿病
  • 動脈硬化
  • 肥満や慢性的な炎症

実は、脂肪肝のある方が亡くなる原因で最も多いのは、肝臓そのものではなく心臓や血管の病気であることが、TargherらによるNEJM 2025年の総説でも改めて強調されています1)

👉 「脂肪肝=肝臓だけの問題」ではなく、「将来の心臓病リスクのサイン」と考えることが大切です。

なぜ循環器内科医が脂肪肝の話をするの?

理由はとてもシンプルです。

脂肪肝がある方に多い「内臓脂肪の増加」「慢性的な炎症」「インスリンの効きにくさ」。これらは、脂肪肝・動脈硬化・心筋梗塞を同時に進める共通の原因だからです1)

肝臓を整えることは、心臓と血管を守ることにつながります。


5%・7%・10%ルールって何?

脂肪肝の改善には、体重減少の目安があります。これは国際的なガイドラインで整理されています2,3)

  • 体重5%減:肝臓の脂肪が減りやすくなる
  • 7%減:肝臓の炎症が改善しやすくなる
  • 10%減:肝臓の線維化(硬くなる変化)が改善しやすくなる

F2線維化とは?

  • 肝臓が中等度に硬くなり始めた段階
  • 心臓・血管のリスクもはっきり上がる段階
  • だからこそ、この時期の介入がとても重要です

現在は、FIB-4 indexFibroScanといった体に負担の少ない検査で評価できます2)


図2|内臓脂肪と皮下脂肪は違います

内臓脂肪と皮下脂肪の違い。運動で先に落ちるのは内臓脂肪である解説図
▲ 体重計の数字が変わらなくても、内臓脂肪(左)は先に減り始めています。

内臓脂肪(図の左側)

  • お腹の中、臓器のまわりにつく脂肪
  • 代謝が活発
  • 運動や食事改善に反応しやすい
  • 比較的先に減りやすい
  • 脂肪肝・心臓病・糖尿病と強く関係

皮下脂肪(図の右側)

  • 皮膚の下につく脂肪
  • エネルギーをためる役割
  • 一度つくと落ちにくい

👉 体重よりも「内臓脂肪が減っているかどうか」が重要です。

この点は最新の総説でも強調されています4)

体重が減らなくても意味はあります

よくある疑問です。「体重が減らないと意味がないのでは?」

実は、そんなことはありません。

  1. 運動・食事を見直す
  2. まず内臓脂肪が減る
  3. 肝臓・血管・血糖が改善
  4. 体重はあとから変わる

👉 体重計に出る前に、体の中は先に良くなっています。


薬について正しく知っておきましょう

日本の現状

脂肪肝そのものを適応とした保険診療の薬は、現在の日本にはありません。

海外での研究・承認状況(参考情報)

  • Resmetirom:非肝硬変MASH(F2–F3)に対して米国で承認されています(日本未承認)。
  • Semaglutide:中等度〜高度線維化を伴うMASHに対して、ESSENCE試験の結果に基づき米国で加速承認が行われました(日本では同じ適応はありません)。
  • Tirzepatide:SYNERGY-NASH試験では、MASHの炎症消失と線維化改善の両面で良好な結果が報告されていますが、MASH自体の適応はまだありません。

👉 今、日本で確実にできる治療の中心は「運動と生活習慣の改善」です。


Q&A(よくある質問)

Q1. 脂肪肝は治りますか?
A. 多くの場合、生活習慣を整えることで改善が期待できますが、効果には個人差があります。
Q2. お酒は少しなら大丈夫?
A. アルコールは、量が少なくても肝臓の負担や脂肪肝の悪化と関連する可能性が報告されており、できるだけ控えることが勧められます。
Q3. どんな運動がよいですか?
A. 有酸素運動+筋トレの組み合わせが効果的です。(詳しくは第一弾第二弾をご参照ください)
Q4. 痩せていても脂肪肝になりますか?
A. なります。Lean MASLD と呼ばれ、筋肉量の低下や「かくれ内臓脂肪」、インスリン抵抗性などが関与すると考えられています4)

まとめ

  • 脂肪肝は全身の病気
  • 一番こわいのは心臓・血管の病気
  • 改善のポイントは体重より内臓脂肪
  • 運動は、将来の自分への最高の投資です

不安がある場合は、かかりつけ医と相談しながら、運動を安全に続けられる環境を整えることが大切です。

医療の視点と運動の視点がうまく噛み合うことで、脂肪肝や心血管リスクの改善は、より現実的で続けやすいものになります。

📚 参考文献

  1. Targher G, et al. Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease. N Engl J Med. 2025. PMID: 40802944
  2. Rinella ME, et al. AASLD Practice Guidance on MASLD. Hepatology. 2023. PMID: 36727674
  3. Rinella ME, et al. AASLD Practice Guidance Update. Hepatology. 2025 Update. PMID: 41201884
  4. Stefan N, et al. MASLD: heterogeneity and treatment. Lancet Diabetes Endocrinol. 2025. PMID: 39681121
  5. Loomba R, et al. Tirzepatide for MASH. N Engl J Med. 2024. PMID: 38856224
  6. Newsome PN, et al. Semaglutide in MASH (ESSENCE). N Engl J Med. 2025. PMID: 40305708

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