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年末年始、なぜか動悸が増える理由 ―― Eagles『Desperado』を医師が医学的に読み解く
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【横浜・戸塚駅西口 徒歩10分/駐車場あり】
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(院長:村松 賢一)

当院は「内科のかかりつけ」として、
高血圧・糖尿病などの生活習慣病や体調不良、
甲状腺を含む内分泌のご相談まで幅広く対応しています。

予約優先制ですが、予約なしでも受診可能です。
(予約をおすすめする理由は待ち時間を短くするためです。
混雑時はお待ちいただく場合がありますが、症状に合わせて柔軟に対応します)

症状が気になる方は、ご都合のよいタイミングでお越しください。

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夜の部屋で一人静かに窓の外を見る人物。「なぜか、胸がざわつく夜に」というメッセージ。年末年始の孤独と動悸を象徴するイメージ

年末年始、なぜか動悸が増える理由
―― Eagles『Desperado』を医師が医学的に読み解く

この記事では、年末年始に増える動悸の背景を、音楽と医学の両面から静かに紐解きます。

この記事は、こんな方に向けて書いています

  • 年末年始を一人で過ごし、なぜか体調が気になる方
  • 動悸・血圧の乱れ・眠れなさが重なってきた方
  • 「気のせい」と流しながら、心のどこかで不安を感じている方
  • Eaglesの曲が、今の自分に刺さると感じる方

年末年始。
街はイルミネーションで輝き、テレビもSNSも「誰かと過ごす幸せ」で溢れかえっています。

しかし、そんな「つながり」が強調される季節だからこそ、静かな部屋に取り残されたような、深い孤独を感じる瞬間があるかもしれません。

理由ははっきりしないのに、ふと胸がざわつく。
寝ようとしても、心拍だけがトクトクと自己主張して眠れない。

もし今、そんな夜を一人で過ごしているなら、読み進める前にまずこの曲を流してみてください。

(▲ 再生しながら読むと、この記事がより深く心に響きます)

Eaglesの名曲、『Desperado(デスペラード)』。
1973年に発表されたこのバラードは、心に壁を作って孤独に生きる“ならず者”に向けた、友からの忠告の歌です。

この歌が描く切実な「孤独」は、単なる感情の問題ではありません。
実は、私たちの体内で起きている「物理的な反応」としても説明できる部分があるのです。

今日は、この名曲を聴きながら、年末年始の不調の正体を医学の視点から紐解いていきます。


診察室でよくある一言

「年末年始になると、なぜか動悸が出やすくて……」
「布団に入っても、頭と体が休まらない感じがして寝付けないんです」

この時期、診察室ではこうした不調を訴える患者さんが少なくありません。
心電図や血液検査で調べても、大きな異常が見つからないこともしばしばです。

もちろん、寒さによる血管収縮や、生活リズムの乱れも原因の一つでしょう。
しかし、丁寧に話を聞いていくと、多くの方の背景に共通して浮かび上がってくるものがあります。

それが、言葉にしづらい「孤立感」と、そこから来る「精神的ストレス」です。


1. 「君の牢獄」の正体は、体内で燃える“見えない炎症”

Eaglesは歌詞の中で、孤独をこう表現しています。

“Your prison is walking through this world all alone”
(君の牢獄は、この世界をたった一人で歩いていること、それ自体さ)

「誰にも縛られない自由」こそが、実は「牢獄」になりうる。
この逆説的な歌詞は、医学的にも恐ろしいほど本質を突いています。

なぜなら、社会的孤立(人との接点が少ない状態)や強い孤独感は、体内で「慢性炎症(low-grade inflammation)」を引き起こすことが、数多くの研究で示されているからです。

米国心臓協会(AHA)が2022年に発表した科学的声明によると、孤立や孤独は私たちの体に次のような変化をもたらすとされています(出典:米国心臓協会声明)

  • 炎症マーカーの上昇: 血液中のCRPやフィブリノゲンといった数値が上がりやすくなります。
  • ストレス反応の蓄積: 「アロスタティック負荷」と呼ばれる身体の消耗が静かに進行します。
  • HPA軸の調節異常: 脳(視床下部)から全身へのストレス指令系統が暴走しやすくなります。

人間は本来、群れで生きる生き物です。
頭では「一人で大丈夫、気楽だ」と思っていても、本能的な脳の部分は“孤立”を「危機に近い状態(サバイバルモード)」として認識してしまいます。

その結果、ウイルスも敵もいないのに、体は常に“戦闘待機”の状態になり、交感神経が高ぶり続けます。
Desperadoとして生きる時、あなたの血管は、終わりのない緊張によって静かに傷ついているのかもしれません。


2. “Before it’s too late(手遅れになる前に)”

曲のクライマックスで、ドン・ヘンリーはこう歌い上げます。

“You better let somebody love you… before it’s too late”
(誰かに愛してもらうんだ…手遅れになる前に)

この「手遅れ(too late)」とは、何を指すのでしょうか。
単なる人生の寂しさや後悔のことかもしれません。しかし、医師としてデータを読むと、より現実的なリスクが浮かび上がります。

近年の研究では、長期的な社会的孤立が、全死亡リスクや心血管疾患(心臓病・脳卒中)、さらには将来的な認知機能の低下と関連していることが示唆されています(参照:PLOS ONE論文)

ここでお伝えしたいのは、「孤独だとすぐに病気になる」と脅したいわけではありません。
問題なのは、年末年始という特殊な環境で、孤独が「生活習慣の乱れ」とセットになりやすいことです。

「どうせ一人だから」と夜更かしをする。寂しさを紛らわすために、ついお酒や食事の量が増える。
すると、孤独によるストレス反応に加えて、内臓への負担が重なります。

孤独 → 不眠 → 自律神経の乱れ → 血圧上昇・動悸(不整脈)

この「負の連鎖」が固定化してしまう前に、どこかで断ち切る必要があります。
それが、歌詞にある“Before it’s too late”の医学的な意味なのかもしれません。


3. 医学的な処方箋としての「愛」
――大げさじゃない“つながり”でいい

では、どうすればいいのでしょうか。
「愛(Love)」と言われると、恋愛や家族愛のような重いものを想像して身構えてしまうかもしれません。

しかし、歌詞にある “Let somebody love you”(誰かに愛させてあげる) という言葉には、もっと優しいニュアンスが含まれています。
それは、自分から必死に誰かを愛そうとするのではなく、「閉ざしていた心のドアを少しだけ開けて、誰かの気遣いを受け入れる」ということです。

医学的に見ても、心臓と脳を守るために必要なのは、熱烈な愛ではなく、こうしたささやかな「他者との接点」なのです。

① 10秒のメッセージを送る
友人や家族に「良いお年を」「元気?」と送るだけで十分です。返信を期待しなくても構いません。自分から発信した事実が、脳の孤立感を和らげます。

② 1分の通話をする
テキストよりも、相手の声を聞く方が安心感につながりやすく、オキシトシンなどの反応が関与してストレスを緩和すると考えられています。

③ 同じ時間に、それぞれ散歩する
直接会えなくても、「明日の朝8時に散歩しよう」と誰かと約束するだけで効果があります。「同じ時間に誰かも動いている」という感覚が、脳の警戒モードを解いてくれます。

体が安心する方向に、ほんの少し寄せてあげる。
それだけで、張り詰めた神経は意外なほど緩むものです。


さいごに

歌詞の中に、希望を感じさせる一節があります。

“It seems to me, some fine things have been laid upon your table”
(思うに、素晴らしいものは既に君のテーブルの上に置かれているんじゃないか?)

遠くにある虹(Rainbow)のような幻想を追いかけなくていい。
人生を変えるような大きな決断も、今はいらない。

目の前の誰かに、「良いお年を」と伝えてみる。
その小さな一歩が、神経の高ぶりが少し落ち着かせ、炎症の火種を小さくし、あなたの心臓と脳を守ることにつながります。

強がりを、ほんの少しだけ緩めて。
つながりを取り戻そう。

手遅れになる前に。

もし今夜、胸がざわついて眠れないなら、ほんの少しだけ心のドアを開けてみてください。
この記事が、少しでもあなたの心の支えになれば幸いです。

どうぞ、心も体も温かい年末年始をお過ごしください。


受診の目安

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。
年末年始に以下のような症状が続く場合は、我慢せずにかかりつけ医や医療機関へご相談ください。

  • 動悸や胸の違和感が治まらない
  • 血圧が普段より高く、下がらない
  • 息苦しさや、強い不安感がある
  • 眠れない状態が続いている

※「締め付けられるような強い胸痛」「冷や汗」「意識が遠のく感じ」がある場合は、迷わず救急要請を優先してください。

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