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電車内AGA広告の「エビデンスあり」はどこまで本当か? ―― 現役医師が“根拠の中身”を翻訳します
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【横浜・戸塚駅西口 徒歩10分/駐車場あり】
内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科|戸塚クリニック
(院長:村松 賢一)

当院は「内科のかかりつけ」として、
高血圧・糖尿病などの生活習慣病や体調不良、
甲状腺を含む内分泌のご相談まで幅広く対応しています。

予約優先制ですが、予約なしでも受診可能です。
(予約をおすすめする理由は待ち時間を短くするためです。
混雑時はお待ちいただく場合がありますが、症状に合わせて柔軟に対応します)

症状が気になる方は、ご都合のよいタイミングでお越しください。

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電車内のAGA広告を見て不安になるイメージ(戸塚クリニック院長ブログ)

電車内AGA広告の「エビデンスあり」はどこまで本当か?
―― 現役医師が“根拠の中身”を翻訳します

※本記事の医学的内容は、2026年1月7日時点で公開されている国際的な総説・メタ解析・ガイドラインに基づいて整理しています。
※特定の広告・医療機関・治療サービスを評価・批判する目的ではなく、医学的エビデンスの「平均像」を解説することを目的としています。
※本記事は一般的な医学情報の提供であり、個別の診断・治療の指示ではありません。

🔍 30秒で分かる結論(まずここだけ)

  • 電車内のAGA広告の多くは、完全な虚偽ではありません
  • ただし「平均像」「対象」「観察期間(多くは24–48週)」「限界」が省略されがちです。
  • 「エビデンスに基づく」とは、一定条件下の集団の平均的結果(=あなた個人の結果保証ではない)を意味します。
  • 忙しい方は、後半の⑧チェックリストだけでもOKです。

なぜこの記事を書いたのか

最近のAGA治療広告では、「エビデンスに基づく医療」「科学的に効果が証明」という表現が目立ちます。 重要なのは、多くの広告が「副作用がない」とは書いていない一方で、「エビデンス」という言葉が前面に出ることです。

この記事では、広告の是非を論じるのではなく、国際的な総説・ガイドライン・RCT(比較試験)・メタ解析が示す “平均的な事実”を、できるだけ分かりやすく翻訳します。

0)略語ミニ辞典(最初に一度だけ)

  • AGA:男性型脱毛症
  • RCT:無作為化比較試験(信頼度の高い比較研究)
  • NMA:ネットワークメタ解析(複数治療を間接比較して“傾向”を推定)
  • LDOM:低用量経口ミノキシジル(飲み薬のミノキシジル:適応外使用が多い)
  • LLLT:低出力レーザー治療(Low-Level Laser Therapy)
  • FAERS:米国FDAの有害事象報告データベース

① 「エビデンスに基づくAGA治療」の中核

国際的なレビュー・ガイドラインで一次治療(first-line)として中心に置かれるのは、主に次の2系統です。

  • 5α還元酵素阻害薬(フィナステリド/デュタステリド)
  • ミノキシジル(外用が標準。内服は低用量でオフラベルとして用いられることがある)

※「一次治療」=「誰にでも必ず効く魔法」ではありません。個人差継続が重要です。

② 「最も効果が高い治療」の正体 ― NMAの読み方

広告で見かける「科学的に最も効果が高い」という表現は、しばしばNMA(ネットワークメタ解析)の “順位”から作られます。

ただしNMAが示すのは、一定条件・一定期間における“確率的な傾向”です(個人の結果を保証しません)。

  • 外用ミノキシジル5%:外用療法として標準的な選択肢(推奨されることが多い)
  • デュタステリド0.5mg:内服治療の中で上位に位置する確率が高いと示されることがある

ここが大事:試験ごとに患者背景が違い、観察期間は24–48週中心。
長期継続や中止後の転帰は、また別の論点です。

③ 「飲むミノキシジル(LDOM)の方が効く?」の現実

「塗るより飲む方が強い」という印象が広がっていますが、直接比較RCTの世界では、 “内服が外用より明確に優れている(優越性)”は証明されていません

👉 現時点の整理:「両者の効果は同程度で、どちらも有効な選択肢」です。
ただし、患者報告や満足度調査では「内服は塗り忘れが少なく継続しやすい」点が指摘されています(=継続の利点)。

④ LDOMの安全性:心臓への影響の平均像

LDOMは有望ですが、内服である以上ゼロリスクではありません。 一方で、近年のレビュー・メタ解析では、健常者では血圧への影響は小さいという整理が多くなっています。

ポイント(“平均像”)

  • 有効性:「著明な改善」は約35%前後、何らかの改善まで含めると約47%前後(研究の定義による)
  • 副作用:全体の約27%(多くは多毛症など軽度)
  • 心拍数:平均で数拍/分の上昇傾向
  • 血圧:多くの健常男性では臨床的に問題となる低下はほぼ確認されない
  • 重篤事象:心嚢液貯留などは極めて稀(特に基礎疾患や用量・調剤の問題が絡むことがある)

FAERS(有害事象報告)の補足:
データベース解析で心嚢液貯留との統計上の関連(シグナル)が示されることがありますが、報告件数自体は非常に少なく、 現時点で因果関係は確定していません
特に心血管の基礎疾患がある場合は医師の定期監視が推奨されます(健常者では不要な場合も多い)。

⑤ デュタステリドの国・地域差(「未承認=効果否定」ではない)

  • 日本・韓国:AGA治療薬として承認されている
  • 欧米:AGA適応として未承認(前立腺肥大症の適応のみ等)

これは「効果が否定された」からではなく、各国の規制当局がリスクとベネフィットをどう評価するかの判断基準・申請戦略の違いが背景にあります。

⑥ フィナステリドの副作用:低頻度だが“実在する”

フィナステリドは有効性データが厚い一方、性機能関連(性欲低下、勃起不全など)や気分変調が話題になります。 現時点での誠実な整理は次の通りです。

  • 頻度は低い(プラセボと比べて数%の差として扱われることが多い)
  • 多くは可逆的(中止で改善する例が多い)
  • ごく一部の報告例で、中止後も症状が続くと訴えるケースがあり、研究は継続中
  • 規制当局(例:EMA)も性機能・精神症状について注意喚起や情報提供の強化を求めている

⑦ PRP・LLLTはどこに位置づく?

  • PRP(多血小板血漿):有効性は示唆されるが、製法や回数などが施設で異なり、標準化が課題
  • LLLT(低出力レーザー):安全性は高いが、効果は補助的と位置づけられることが多い

👉 「効く可能性がある」=「一次治療(内服・外用)と同列のエビデンス」ではありません。

⑧ 医師が見る「エビデンス広告」チェックリスト

広告を見て迷ったら、ここだけ確認してください。

  • □ 成分名が具体的か(「オリジナル発毛薬」ではなく成分が書かれているか)
  • □ 期間が明示されているか(例:24週など、データの射程が分かるか)
  • □ 効果指標が曖昧でないか(満足度だけでなく毛髪数・密度などの言及があるか)
  • □ 個人差・限界に触れているか

✔ これらが揃っていれば、その広告(医療機関)は医学的に誠実である可能性が高いです。

ここまで読めた方は、誇大広告に惑わされず、治療を判断できる知識を十分に持っています。
安心して医師との相談に活用してください。
役立ったと感じたら、SNSシェアで他の方にも届けてください。

結論

  • AGA広告のエビデンスは存在します(嘘ではありません)。
  • ただし「平均像・期間・限界」が省略されがちなので、翻訳が必要です。
  • 最終判断は「広告コピー × 医学的データ × ご自身の健康状態」で。

主な参考文献(検証しやすいDOIリンク)

 

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