2026/01/23
【横浜・戸塚駅西口 徒歩10分/駐車場あり】
内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科|戸塚クリニック
(院長:村松 賢一)
当院は「内科のかかりつけ」として、
高血圧・糖尿病などの生活習慣病や体調不良、
甲状腺を含む内分泌のご相談まで幅広く対応しています。
予約優先制ですが、予約なしでも受診可能です。
(予約をおすすめする理由は待ち時間を短くするためです。
混雑時はお待ちいただく場合がありますが、症状に合わせて柔軟に対応します)
症状が気になる方は、ご都合のよいタイミングでお越しください。
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運動は最高の自己投資・第四弾
―― 転ばない、折れない、衰えない。高齢期にこそ「貯“筋”」という考え方 ――
(おまけ)院長のトレーニング風景
「どのくらいの強さ・どんな雰囲気で行うのか」をイメージしていただくための短い動画です。
※内容は一例であり、年齢・体調・骨粗鬆症の程度などにより適切な運動は異なります。
※動画が表示されない場合は こちらからご覧ください
本記事は一般的な医学的整理です。骨粗鬆症の程度、心疾患・関節疾患、ふらつきの強さなどにより、運動の最適解は変わります。実践前には、自己流で頑張りすぎず、 主治医や専門職と相談することをおすすめします。

はじめに|「歳だから仕方ない」は、もう医学的には主流ではありません
外来で戸塚・周辺地域の高齢の方とお話ししていると、よくこんな声を伺います。
「先生、もう歳ですから…」「運動した方がいいのは分かるけど、転んだら怖い」という不安です。
その不安は、決して間違いではありません。
ただ、近年のガイドラインや大規模レビューでは、「高齢だから運動しない」ではなく、「高齢だからこそ、内容を調整した運動が必要」という方向性がより明確になっています。
そこで本記事では、戸塚の生活に落とし込みやすい合言葉として、こう提案します。
貯金ではなく、貯“筋”。
未来の自分のために「転ばない体・折れにくい体・衰えにくい体」を積み立てる発想です。

お金は「使わなければ減りにくい」。筋肉は「使わないと減りやすい」――この違いが腹落ちすると続きやすくなります。
1. 「貯金」と「貯“筋”」の違い|ここを理解すると続きやすくなる
まず、混同しやすい「貯金」と「貯“筋”」の違いをはっきりさせます。
貯金(お金)はこういう資産
- 使わなければ基本的に減りにくい
- コツコツ積み立てれば、残高として“見える”
- 世の中の状況で増減はあっても、「何もしなくてもゼロになる」ことはまれ
貯“筋”(筋肉)はこういう資産
- 使わないと減りやすい(目減りしやすい資産)
- “残高”が見えにくい(通帳がない)
- 減ってから気づきやすい(つまずく、立ち上がりが遅い、階段がつらい、など)
- ただし内容を調整すれば、何歳からでも「積み立て直し」がある程度可能とされています
つまり、高齢期の運動は「頑張って健康になる」というよりも、
👉 将来の自分のために“筋肉を貯める”=貯“筋”
と捉えた方が、現実的で続きやすいと考えられます。
そして、この貯“筋”が結果として骨を守り、転倒を防ぎ、フレイルを遠ざける方向に働きやすい――ここが現在の医学的な整理です。
2. 骨は「年齢」より「刺激」で決まる|貯“筋”は“骨の刺激”にもなる
骨は、一度できたら終わりではなく、作り替えを続ける“生きた組織”です。
骨は、適度な荷重(体重負荷)や筋収縮の刺激が入ると、「必要な骨」として維持されやすいことが知られています。
ここでの現実的ゴールはシンプルです。
❌「骨折をゼロにする」ではなく、
⭕「折れにくい状態をできるだけ長く保つ」
“貯“筋”=筋肉を使う習慣”は、そのまま骨への刺激にもなり得るため、骨粗鬆症対策の一部としても意味を持つと考えられています。
3. 転倒は「偶然」ではありません|貯“筋”は“転ばない力を貯める”
転倒は「たまたま滑った」ように見えても、その背景には次のような要素の積み重なりがあります。
- 下肢筋力の低下
- 体幹の不安定さ
- バランス反応の遅れ
- 方向転換・段差での“とっさの一歩”が出にくくなる
ここでのポイントは、
👉 貯“筋”は、「転ばない力」を少しずつ貯めていく行為
という視点です。
「散歩だけ」では、もったいない(ここが大事)
歩くこと自体はとても良い習慣です。
ただ、転倒予防としては“歩くだけ”で十分とは言い切れないケースがあり、より効果が出やすいのは筋力+バランス+機能的動作の組み合わせとされています。
「散歩を続けつつ、少しだけ“貯筋要素”を足す」――これが現実的で続きやすい方法です。
4. 筋肉は「何歳からでも応えてくれる」|“貯“筋”の利息”は生活の安定
高齢期でも、内容を調整した筋力トレーニングによって、
・いすから立ち上がりやすくなる
・歩行が安定する
・つまずきにくくなる
といった機能面の改善が得られる可能性があり、この考え方は運動ガイドラインの基礎にもなっています。
大切なのは“見た目”ではなく、生活の土台になる部位です。
太もも・お尻・体幹。
ここを中心に貯“筋”していくと、日常動作が安定しやすくなります。
これが、いわば「貯“筋”の利息」です。
5. フレイル(虚弱)は静かに進む|だから「まだ大丈夫」な今が一番お得
フレイルは、検査で急に数値が跳ね上がるというより、
「何となく疲れやすい」「外出が少しおっくう」「動作がゆっくりになってきた」
といった形で静かに進むことがあります。
転倒や骨折、要介護化のリスクにも関連するため、できるだけ早い段階からの対策が重要とされています。
「まだ大丈夫」と感じる今の時点から貯“筋”を始めておくことが、将来の選択肢を増やすうえで“最もお得”なタイミングと言えます。
6. 最適解は「多要素運動」=効率よく貯“筋”
エビデンスの方向性を「貯“筋”」の観点でまとめると、強いのは3点セットです。
貯“筋”に強い「3点セット」
- 筋力トレーニング(特に下肢・体幹)
- バランス訓練(片脚立ち・方向転換・継ぎ足歩行など)
- 日常動作に近い動き(立ち座り、段差昇降、歩行の質の改善など)
ネットワーク・メタ解析では、Otago Exercise Program(OEP)や太極拳など、多要素運動プログラムが有効な選択肢として位置づけられています。
7. 戸塚でできる「今日からの貯“筋”」|難しい道具は不要
ここからは、戸塚・横浜エリアで暮らす高齢の方が「今日から始めやすい」貯“筋”のミニセット例です。
(実施前には主治医への相談を推奨します)

今日からの貯“筋”ミニセット(週2回からでOK)
- いす立ち上がり:10回
- かかと上げ(つかまりながら):10〜20回
- 片脚立ち(必ず何かにつかまって):左右10秒×1〜2セット
散歩の習慣がある方は、信号待ちの時間にかかと上げを足すなど、
既存の習慣に“貯“筋”要素を少し足すのが続きやすいコツです。
8. 安全のための大切な補足(誤解・事故の予防線)
次のような方は、運動の種類・強度の調整が特に重要です。
- 骨粗鬆症が高度
- 圧迫骨折の既往がある
- 心疾患・重い関節疾患がある
- 強いふらつきや歩行不安がある
これは、
❌「運動してはいけない」ではなく、
⭕「安全に貯“筋”できる形に設計する」
という意味です。
不安がある方ほど、自己流で無理をするより、医師や理学療法士などと相談しながら“安全に貯“筋”できる方法”を一緒に決めることが推奨されています。
まとめ|貯“筋”は、未来の自由をつくる
運動の効果は、今日明日の検査値だけでは分かりにくいかもしれません。
しかし、5年後・10年後に「自分の足で歩けるかどうか」「戸塚の街を自分のペースで回れるかどうか」に、確実に影響してくると考えられています。
外出できる。
転倒を過度に恐れず生活できる。
できる範囲で自立して暮らせる。
これは、そのまま生活の質(QOL)です。
戸塚クリニックでは、年齢・持病・体力・転倒リスクを踏まえて、現実的で安全な「貯“筋”の始め方」を診察の中で一緒に整理することもできます。
「最近つまずく」「ふらつきが増えた」「骨粗鬆症と運動のバランスが不安」など、気になる点があればご相談ください。
運動は最高の自己投資。今日からです。
あなたの「今日から」が、10年後の笑顔につながります。一緒に始めましょう。
参考文献・ガイドライン(ハイパーリンク)
- USPSTF (2024): Falls Prevention in Community-Dwelling Older Adults — 公式サイト
- JAMA (2024): USPSTF Recommendation Statement — JAMA Network (doi:10.1001/jama.2024.8481)
- JAMA (2024): Evidence Review — JAMA Network
- ACSM Position Stand (2009): Exercise and Physical Activity for Older Adults — DOI
- Resistance Training in Older Adults(筋力トレの有効性に関するレビューの代表例)— PubMed
