2026/01/27
【横浜・戸塚駅西口 徒歩10分/駐車場あり】
内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科|戸塚クリニック
(院長:村松 賢一)
当院は「内科のかかりつけ」として、
高血圧・糖尿病などの生活習慣病や体調不良、
甲状腺を含む内分泌のご相談まで幅広く対応しています。
予約優先制ですが、予約なしでも受診可能です。
(予約をおすすめする理由は待ち時間を短くするためです。
混雑時はお待ちいただく場合がありますが、症状に合わせて柔軟に対応します)
症状が気になる方は、ご都合のよいタイミングでお越しください。
▶ WEB予約(24時間受付)
https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08287
▶ クリニック案内
https://www.totsukaclinic.com

冬に心臓の病気が増えるのはなぜ?
―― 日本の寒さと「お風呂習慣」が関係しています ――
(戸塚クリニック|循環器内科)
この記事のポイント(30秒で読めます)
- 冬は「寒さによる血圧上昇」+「お風呂の温度差」で心臓発作が増えやすい
- 特に日本の「寒い脱衣所→熱い湯船」はヒートショックのリスクが高い
- 対策は3つ:①脱衣所・トイレを暖める ②お湯は38〜40℃ ③家庭血圧を測る
冬は、心臓にとって「注意の季節」です
寒くなると、
「血圧が上がりやすい」
「動悸が出やすい」
と感じる方が増えます。
これは気のせいではありません。
冬には、心筋梗塞・狭心症・突然死・院外心停止などの心血管イベントが増える傾向が、世界中の研究で一貫して報告されています。
医学誌 Nature Reviews Cardiology の総説では、
研究により幅はありますが、夏より二桁%台で多いとする報告もあります
(※研究により対象地域や指標は異なります)
とまとめられています
(Stewart S, et al., 2017)。
この現象は、日本に限らず、北米・ヨーロッパ・アジアなど気候や生活様式の異なる地域でも共通して確認されているものです。
なぜ寒いと、心臓に負担がかかるの?

寒さを感じると、私たちの体は無意識に「身を守る反応」を起こします。
- 血管が縮む
- 血圧が上がる
- 心拍数が増える
- 血液がやや流れにくくなる(粘稠度の上昇)
これは体温を保つために必要な反応ですが、心臓にとっては負担が大きい状態です。
この状態では、
- 動脈硬化のある血管が詰まりやすくなる
- 心臓がより強く働かされる
結果として、心筋梗塞や致死的不整脈との関連が示唆されています。
2024年に Journal of the American College of Cardiology(JACC) に掲載された研究でも、
低温への短期的な曝露や寒波(cold spell)が、心血管死亡や心筋梗塞のリスクを高めることが、改めて示されています
(Hundessa S, et al., 2024/Ni W, et al., 2024)。
日本の冬は、心臓にとって特に厳しい
日本の冬には、海外と比べて特徴があります。
- 家の中が意外と寒い
- 部屋ごとの温度差が大きい
- 暖房を我慢する文化
- そして 冬でも毎日、湯船に浸かる入浴習慣
この組み合わせが、日本特有の「冬の心臓リスク」 を生み出しています。
冬のお風呂(ヒートショック)と心臓:脱衣所の寒さが鍵

実は、冬に「入浴中の心停止・死亡」が増えます。
日本の研究では、
気温が低い日ほど、浴槽内での心停止や死亡が増えることが明確に示されています
(Suzuki M, et al., Internal Medicine, 2017)。
特に影響を受けやすいのは、
- 65歳以上の方
- 高血圧や心臓病をお持ちの方
です。
なぜ冬のお風呂が危険になるの?
典型的な流れは次の通りです。
- 寒い脱衣所で血圧が上がる
- 急に熱い湯船に入る
- 血管が一気に広がる
- 血圧が急に下がる
- めまい・失神・不整脈が起こる
冬の入浴では、
血圧が10〜20%前後低下することがある
と報告されています
(Wang PC, et al., Hypertension Research, 2023)。
重要なのは、
「お風呂そのものが悪い」のではなく、「寒暖差(ヒートショック)」が問題
という点です。
特に注意が必要な方
次に当てはまる方は、冬は特に注意が必要です。
- 65歳以上
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症がある
- 心筋梗塞・狭心症・心不全の既往がある
- 不整脈がある
- 冬にふらつきやすい
⚠️ こんな時はためらわず受診・相談を
胸の痛み、締め付けられる感覚、冷や汗、強い動悸、意識が遠くなる感じがある場合は、ためらわず医療機関へ(必要に応じて救急要請も含め)ご相談ください。
冬の血圧・心臓を守る対策:暖房+入浴温度+家庭血圧

① 家の中を「部分的に」暖かく
すべての部屋を暖める必要はありません。
- 脱衣所
- 浴室
- トイレ
この3か所の寒さ対策が特に重要です。
住宅の断熱や暖房改善は、
血圧低下や全死亡率低下と関連することが報告されています
(Preval N, et al., BMJ Open, 2017)。
※ 現時点では「断熱で心筋梗塞が必ず減る」と断定できる研究はありませんが、心臓にやさしい環境になる可能性が高いことは、医学的にも妥当と考えられます。
② 冬のお風呂、ここを守ってください
- 脱衣所を暖める
- お湯は 38〜40℃
- 入浴は 10〜15分以内
- 立ち上がる時はゆっくり
- 体調が悪い日は無理せずシャワーに
③ 冬こそ血圧チェックを
冬は血圧が上がりやすい季節です。
- 家庭血圧を測る
- 薬を自己判断でやめない
- 感染症(インフルエンザなど)を予防する
こうした 日常の管理 が、冬の心臓リスクを減らすことにつながります。
ここ戸塚・横浜エリアでも、冬になると「急に血圧が上がった」といって来院される方が増えます。
寒さによる体の変化は誰にでも起こり得るものです。
まとめ|冬は「心臓の注意シーズン」
- 冬は心臓の病気が増えやすい
- 日本では「寒さ+入浴習慣」がリスクを高める
- 高齢者や持病のある方は特に注意
- 暖房・入浴方法・血圧管理でリスクを減らせる
冬だから仕方ない、ではありません。
冬だからこそ、守れる心臓があります。
戸塚で、冬の血圧・心臓が気になる方へ
- 冬に血圧が上がる
- お風呂が少し不安
- 動悸・息切れが出やすい
- 健診で心電図や血圧を指摘された
気になることがあれば、早めにご相談ください。
当院では 冬特有の心臓リスク も踏まえて診療しています。
※本記事は一般的な医学情報に基づいています。症状や持病により推奨される対策は異なる場合がありますので、ご不安な点は主治医にご相談ください。
参考文献
※以下のリンクは外部の医学論文データベース(DOI)へ移動します。
-
Stewart S, et al. Nature Reviews Cardiology. 2017
-
Suzuki M, et al. Internal Medicine. 2017
-
Wang PC, et al. Hypertension Research. 2023
-
Preval N, et al. BMJ Open. 2017
-
Hundessa S, et al. Journal of the American College of Cardiology. 2024
-
Ni W, et al. Journal of the American College of Cardiology. 2024
