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RSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ)2026年4月定期接種開始|横浜市妊婦さん向け無料ガイド【戸塚クリニック】
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【横浜・戸塚駅西口 徒歩10分/駐車場あり】
内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科|戸塚クリニック
(院長:村松 賢一)

当院は「内科のかかりつけ」として、
高血圧・糖尿病などの生活習慣病や体調不良、
甲状腺を含む内分泌のご相談まで幅広く対応しています。

予約優先制ですが、予約なしでも受診可能です。
(予約をおすすめする理由は待ち時間を短くするためです。
混雑時はお待ちいただく場合がありますが、症状に合わせて柔軟に対応します)

症状が気になる方は、ご都合のよいタイミングでお越しください。

▶ WEB予約(24時間受付)
https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08287

▶ クリニック案内
https://www.totsukaclinic.com

 

 

🌸 戸塚クリニック 内科 / 循環器内科 / 糖尿病・内分泌内科 / 小児科

🎉 2026年4月1日スタート!横浜市で無料接種 🔬 日本小児科学会GL 2025年8月改訂版対応 ⭐ 公的資料・学会資料をもとに解説

RSウイルス母子免疫ワクチン
2026年度から定期接種の対象に
横浜市在住の妊婦さんへ:アブリスボ®無料接種のご案内
2026年4月1日より定期接種開始

ベイフォータス®(乳児向け抗体製剤)との違い・使い分けも解説

📅 2026年3月13日✍️ 戸塚クリニック院長 村松 賢一⏱️ 読了目安:約10分🏷️ 予防接種 / 小児感染症 / 内科 / 循環器内科
🌸 2026年4月1日より横浜市在住の妊婦さんはアブリスボ®が無料で接種できます。まずはお電話でご予約ください ☎️ 045-864-2110

⚡ この記事の要点
🎉 2026年4月1日〜 定期接種開始
RSウイルス母子免疫ワクチンがA類定期接種
横浜市在住の妊婦(妊娠28〜36週)はアブリスボ®が無料
❓ A類定期接種とは?
予防接種法で定められた分類のひとつで、感染症の重症化予防・社会全体への蔓延防止を目的とします。
費用:原則無料(公費負担)
国・自治体が接種を積極的に勧奨
本人に努力義務あり(B類は努力義務なし)
※ インフルエンザはB類。麻疹・風疹・水痘・日本脳炎・肺炎球菌(小児)などはA類に指定されています。
💪 有効性(横浜市公式リーフレット)
81.8%
生後90日
入院リスク減
69.4%
生後180日
入院リスク減
💉 使用ワクチン(定期接種)
アブリスボ®(ファイザー)のみ
❌ アレックスビー・エムレスビア・
 ニルセビマブ・パリビズマブは対象外
⏱ 接種後の注意
30分間の院内観察を推奨
アナフィラキシー対策。横浜市公式リーフレット明記
🧬 ベイフォータス®(乳児向け別製剤)
ハイリスク児(早産・心疾患など)→保険適用
健康な正期産児→自費(高額・施設差あり)
接種後14日以内に出生した場合は、ベイフォータスが選択肢のひとつ(高額のため実際の接種は少数)
🏥 戸塚クリニックでは
✅ アブリスボ妊婦公費・高齢者自費接種 実施
❌ ベイフォータスは実施しておりません
💉 ワクチン予約:電話のみ
☎ 045-864-2110

🦠RSウイルス(RSV)―なぜ赤ちゃんに危険なのか

RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)は、乳児の細気管支炎・肺炎などの下気道感染症の主要な原因ウイルスです。成人では「ちょっとした風邪」で終わることが大半ですが、免疫が未熟な赤ちゃん、特に早産児・先天性心疾患・慢性肺疾患を持つ乳児では入院管理が必要になる重篤な状態を引き起こすことがあります

日本では例年秋〜冬に流行(地域によっては通年性)し、現時点では特異的治療の選択肢が限られているため、重症化予防の意義が特に大きい感染症です。

生後
6か月
重症化リスクが
特に高い時期
81.8%
入院リスク減少
生後90日まで
ワクチンなし比。約8割の入院を予防
(横浜市公式案内)
69.4%
入院リスク減少
生後180日まで
効果は時間とともに緩やかに低下
(横浜市公式案内)
86%
有効率
ニルセビマブ 早産児
(Phase 2b、150日後)
約50%
入院減少
母体ワクチン接種
Cochrane SR 2024
(高確実性エビデンス)

💡2つの予防手段を整理する

RSV予防には2つのアプローチがあります。今回の定期接種の対象となる「母体へのワクチン接種(アブリスボ)」が主役で、乳児の生後早期を守ります。もう一つは生まれた赤ちゃんに直接投与する「乳児向け抗体製剤(ベイフォータス)」です。原理・対象・費用がまったく異なりますので、まず整理しておきましょう。

項目 💉 アブリスボ®
(RSVpreF、ファイザー社)
🛡️ ベイフォータス®
(ニルセビマブ、AZ/サノフィ)
種別 ワクチン(能動免疫) モノクローナル抗体製剤(受動免疫)
接種対象 妊婦(妊娠28〜36週) 乳幼児(生後〜24か月)
作用機序 母体で産生した抗体を胎盤経由で赤ちゃんへ移行 RSウイルスF蛋白に直接結合・中和(YTE改変で半減期延長)
投与回数 1回(妊娠中) シーズン1回
(2シーズン目は200mgで追加可)
費用(国内) ✅ 無料(横浜市定期接種)
2026年4月1日より
他市区町村在住は自費
ハイリスク児:✅ 健康保険適用
健康な正期産児:❌ 自費診療
(高額・施設差あり、実施施設で確認)
保護開始時期 出生直後から(胎盤移行分)
※接種から14日以上必要
投与後数日〜
有効期間 生後6か月程度 日本小児科学会GL:少なくとも5〜6か月
(最大361日データあり。投与後361日時点でもパリビズマブ比高値維持。詳細はGL Q&A第3版参照)
補完関係 母体接種後14日以内出生 → ニルセビマブを検討(GL推奨)
母体未接種・不十分な免疫反応の可能性 → ニルセビマブを検討

🗺️横浜市での定期接種 ―無料で受けられます―

制度の概要

令和8年4月1日より、RSウイルス感染症が予防接種法上のA類疾病に新たに位置づけられ、2026年度よりRSウイルス母子免疫ワクチンが定期接種の対象となりました(参照:第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会)。使用ワクチンはアブリスボ®(ファイザー社)のみです。

横浜市では以下の通り実施されます。

📋 横浜市定期接種の基本情報
開始日 令和8年4月1日
対象者 接種日時点で横浜市に住民登録がある、妊娠28週0日〜36週6日の妊婦(前回妊娠時に接種済みの方も対象)
使用ワクチン アブリスボのみ(ファイザー社、0.5mL筋肉内注射 1回)
費用 無料(全額公費負担)
2026年4月1日より
他市区町村在住の方は任意接種(自費)
想定接種人数 横浜市の想定値として約19,260人/年(対象者数21,400人×想定接種率90%)
持ち物 ①母子健康手帳 ②本人確認書類(横浜市の住所記載)
接種後の経過観察 30分程度の院内観察を推奨(横浜市公式リーフレット記載。アナフィラキシー等への対応のため。実施方法は医療機関の運用に従ってください)
記録 母子健康手帳「その他の予防接種」欄への記載+接種済証交付
❌ 定期接種では使用できないもの
  • アレックスビー(GSK社)―― 高齢者向けRSVワクチン
  • エムレスビア(モデルナ社)―― 高齢者向けRSVワクチン
  • ベイフォータス/ニルセビマブ―― 乳児向け抗体製剤(ワクチンではない)
  • シナジス/パリビズマブ―― 乳児向け抗体製剤

※横浜市では、アブリスボ以外のRSVワクチン(アレックスビー等)は定期接種の対象外です。接種前に担当医に確認しましょう。

⚠️ 接種タイミングの重要な注意

接種から赤ちゃんへの抗体移行には最低14日(理想は5週以上)が必要です。2025年の研究(AJOG)では、接種〜出産が5週以上の場合に胎盤移行効率が有意に高くなることが実証されています。できるだけ早い週数(28〜32週頃)での接種が効果的です。 分娩予定日の2週間以内に接種した場合、赤ちゃんへの抗体移行が十分でない可能性があります。 出産後に小児科を受診し、ニルセビマブ(ベイフォータス)が選択肢のひとつとなり得るか相談することをお勧めします。 ただし日本では健康な赤ちゃんへの自費投与は高額で一般的ではなく、実際に接種されるご家庭は少数にとどまっています (費用は施設・体重により異なります)。

母体から赤ちゃんへの抗体移行のイメージ図:アブリスボ接種後に生成されたIgG抗体が胎盤を通じて胎児に移行する仕組み
▲ アブリスボ接種後、母体で産生されたIgG抗体が胎盤を通じて胎児に移行するイメージ。
接種から出産まで最低14日(理想は5週以上)の期間があることで移行効率が高まります。

📌 なお、2026年現在のpost-marketing調査(米国Vaccine Safety Datalink・フランス国家コホートなど)では、推奨週数(妊娠28〜36週)内での接種において早産リスクの有意な増加は認められていません(米国VSDデータ aRR 0.79〜0.97、JAMA 2026)。

🧬乳児向け抗体製剤 ベイフォータス®についても知っておこう

🧬 ベイフォータス®(ニルセビマブ)詳細 ― 保険適用・投与量・判断フロー(クリックで展開)

母体ワクチン(アブリスボ)が今回の定期接種の主役ですが、乳児向けの抗体製剤ベイフォータス®(ニルセビマブ)についても知っておくと、赤ちゃんのRSV予防をより深く理解できます。日本小児科学会は2025年8月31日にガイドラインを改訂しており[GL]、国内では健康保険適用(発症抑制)と自費診療(予防)の2つの効能が明確に区別されています。

✅ 健康保険適用(発症抑制)―ハイリスク児

以下の条件を満たす児は、RSウイルス感染流行初期にニルセビマブの保険投与が推奨されます。

カテゴリ 具体的な対象
早産児 ・在胎28週以下 → 生後12か月以下
・在胎29〜35週 → 生後6か月以下
慢性肺疾患(CLD) 過去6か月以内にCLD治療を受けた24か月齢以下
先天性心疾患(CHD) 血行動態に異常がある24か月齢以下
(循環動態正常・完全修復例は除外)
ダウン症候群 気道狭窄・呼吸器感染既往・免疫異常・CHD合併のいずれかあり、24か月齢以下
免疫不全 T細胞機能異常を伴う原発性免疫不全、HIV感染、造血幹細胞移植後、高度骨髄抑制化学療法中 など、24か月齢以下
⚠️ 自費診療(予防)―健康な正期産児

在胎36週以上で生まれた健康な正期産児への予防投与は現在健康保険適用外(自費)です。ガイドラインでは投与を検討する旨が記載されていますが、費用が非常に高額であり、十分な費用説明と保護者の同意が必須です。

💴 自費投与の費用目安(施設・体重・運用により差あり)
体重・シーズン 用量 費用の目安
初回シーズン・5kg未満 50mg 約50〜60万円
初回シーズン・5kg以上 100mg 約90〜100万円
2回目シーズン(ハイリスク児) 200mg 約180〜200万円

※ 薬価・施設方針・体重により費用は大きく異なります。実際の費用は必ず実施医療機関でご確認ください。
※ 健康な赤ちゃんへの自費投与は、現実的に接種を見合わせるご家庭が多いのが実情です。
※ 一部の自治体(例:高知県須崎市など)では公費助成を実施していますが、全国的にはまだ少数です。

海外では、米国・フランス・ドイツ・スペイン・カナダ・イタリアをはじめ複数の国で全乳児または広範な乳児集団を対象とした公的プログラム(NIP:National Immunization Program、国の公的予防接種プログラム)への導入が進んでいます(日本小児科学会GL 2025年8月改訂版記載)。日本でも公費化を含めた制度設計が引き続き検討されています。現時点での最適な選択は、必ず担当医師と相談して決めてください。

投与量と方法

シーズン 体重 用量 投与法
初回シーズン 5kg未満 50mg 大腿前外側
筋肉内注射
1シーズン1回
5kg以上 100mg
2回目シーズン(ハイリスク児) 200mg
心肺バイパス手術後補充投与 術後安定後速やかに(総論参照)

🌲 母体ワクチン接種歴を踏まえたニルセビマブ投与判断フロー

出生後、以下のフローでニルセビマブ投与の要否を確認してください(ガイドライン参照)

  • 母体がアブリスボを妊娠中に接種し、かつ接種から出生まで14日以上経過 → ニルセビマブは原則不要(ハイリスク合併症なければ)通常不要
  • 母体が接種したが接種から出生まで14日未満 → 抗体移行不十分のためニルセビマブを検討要検討
  • 母体がアブリスボを未接種、またはワクチンへの免疫反応が不十分と考えられる → ニルセビマブを検討要検討
  • 上記いずれかで、かつ早産・CLD・CHD・ダウン症・免疫不全などハイリスク合併症あり → ニルセビマブを保険で強く推奨保険推奨
  • 健康な正期産児への予防的投与は現在自費診療。保護者への説明と同意が必要自費

※ 一部地域(東京都・神奈川県等)では、RSウイルスの流行予測が困難なことを考慮し、退院時など早期の通年性投与を推奨する運用が導入されつつあります(日本小児科学会Q&A第3版参照)。各地域の方針は担当医師または所管の医師会にご確認ください。

🔬エビデンスサマリー(2026年3月時点)

📋 主要エビデンス一覧(2024〜2026年論文・GL、クリックで展開)
研究 主な結果 レベル
MELODY試験(Phase 3)
在胎36週以上の健康乳児
NEJM 2022
ACIP評価: MMWR 2023
医療機関受診を要するRSV下気道炎に対し有効率57.3%、重症例76.5%ニルセビマブ
※MELODY試験はニルセビマブの第3相試験。アブリスボ(母体ワクチン)とは別の試験
RCT P3
Phase 2b試験(NIRseviMAB早産)
在胎29〜35週
NEJM 2022
ニルセビマブ投与後150日まで受診要RSV下気道感染:ニルセビマブ群1.2% vs プラセボ9.0%、相対リスク減少86.2% RCT P2b
HARMONIE試験(Phase 3b)
健康乳児 Lancet Child 2025
ニルセビマブ投与後180日間のRSV関連入院に対し、高い有効性を確認 RCT P3b
Cochrane SR 2024
母体ワクチン接種 Cochrane 2024
乳児のRSV入院リスクを約50%減少(RR 0.50, 高確実性)。先天奇形・子宮内発育不全への影響なし Cochrane SR
スコットランド全国コホート
Lancet ID 2025
アブリスボ接種後の生後90日以内重症RSV入院 有効率82%、早産児では89.9% RWE
ニルセビマブ RWE システマティックレビュー
Lancet Child 2025
各国リアルワールドデータのメタ解析:乳児RSV入院に対して高い有効性を確認(複数カ国) SR/MA
フランス 観察研究
ニルセビマブ vs 母体RSVpreFワクチン
JAMA 2025
新生児のRSV関連入院について、ニルセビマブは母体RSVpreFワクチンと比較してリスク低下と関連。ただし初年度実臨床データであり、接種率・流行状況等の交絡があるため、直接的な優劣の断定には注意が必要 RWE
米国 Vaccine Safety Datalink
安全性サーベイランス
JAMA 2026
妊娠32〜36週接種で早産リスクの有意な増加なし(aRR 0.79〜0.97) Post-mktg
日本小児科学会
コンセンサスGL 2025
国内適応・投与量・ハイリスク分類の基準を2025年8月改訂。海外NIP(National Immunization Program:国の公的予防接種プログラム)への導入状況を整理 国内GL

早産リスクについて(正確な情報共有)

MATISSE試験の南アフリカのサブグループで早産がやや多い傾向が報告されましたが(RR 2.06、統計学的有意差なし)、これは一部の国(主に低・中所得国)のデータに限られた所見です。米国・フランスなど高所得国のデータでは有意差は認められておらず、米国のpost-marketing surveillance(JAMA 2026)でも有意な増加は確認されていません[7]。横浜市の定期接種で推奨する妊娠28〜36週の接種タイミングは、この安全性データを踏まえた設定です。詳細な安全性データはエビデンスサマリー(↓アコーディオン参照)をご覧ください。

🌍世界の状況 ―海外各国でNIP(National Immunization Program)導入が進む

日本小児科学会ガイドライン(2025年8月改訂)によれば、ニルセビマブは米国・フランス・ドイツ・スペイン・カナダ・イタリア・スウェーデン・チリ・ブラジルなど複数の国で全乳児または広範な乳児集団を対象とした公的プログラム(NIP:National Immunization Program、国の公的予防接種プログラム)への導入が進んでいます

🗺️ 各国のアプローチ(NIP導入国の概要)
対象 投与タイミング
🇺🇸 米国 8か月未満の全乳幼児(2023-24シーズン〜) 流行期(10〜翌3月)に投与。流行期出生は退院前
🇫🇷 フランス 8か月未満の全乳幼児(2023-24シーズン〜) 流行期(9〜翌1月)に投与
🇩🇪 ドイツ 全乳幼児(2024-25シーズン〜) 流行期(10〜翌3月)に投与
🇪🇸 スペイン 全乳幼児(州単位) 流行期(9〜翌3月)に投与
🇬🇧 英国 現時点は高リスク児(早産32週未満など)に限定。母体へのRSVワクチンは全妊婦対象 通年性母体接種+高リスク児にニルセビマブ

日本でも早期の公費化が期待されます。制度の動向は日本小児科学会の発表をご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Qアブリスボを接種すれば、赤ちゃんへのベイフォータスは不要ですか?

母体がアブリスボを接種し、かつ接種から出生まで14日以上経過している場合は、通常ニルセビマブの追加投与は不要です。ただし、①接種後14日以内の出生、②早産・先天性心疾患・慢性肺疾患・免疫不全・ダウン症候群などハイリスク合併症がある場合は、ベイフォータスの保険投与が推奨されます。日本小児科学会ガイドライン(2025年8月改訂)もこの方針を明記しています。

Q何週目にアブリスボを接種するのがベストですか?

横浜市の対象は妊娠28〜36週です。2025年の研究(AJOG)では接種〜出産が5週以上ある場合に胎盤移行効率が有意に高いことが示されています。予定分娩日まで5週以上ある週数、すなわち28〜31週頃の早めの接種が、抗体移行の観点から望ましいと考えられています。

Q前の妊娠でアブリスボを接種済みでも、今回も接種できますか?

はい。横浜市の定期接種要件には「前回以前の妊娠時に接種済みの方も対象」と明記されており、今回の妊娠でも定期接種で受けられます

Q早産児にはアブリスボとベイフォータス、どちらが必要ですか?

両方が関係します。母体へのアブリスボ接種は生後すぐの保護に役立ちますが、早産児(特に在胎35週以下)はハイリスク児として日本小児科学会ガイドラインでニルセビマブ(ベイフォータス)の保険投与が推奨されています。特に在胎28週以下は生後12か月まで、在胎29〜35週は生後6か月まで保険適用です。担当の産科・小児科医師と相談してください。

Qベイフォータスの副反応はどのくらいですか?

臨床試験では治験薬関連の有害事象は1〜1.6%程度(軽度の皮疹・発熱・易刺激性など)と非常に少なく、重大な有害事象の発生率はプラセボ群と同等でした。重大な副反応としてアナフィラキシー(頻度不明)血小板減少(頻度不明)が添付文書に記載されており、投与後は十分な観察が必要です。PMDA添付文書(2024年3月承認)では、臨床試験における重大な有害事象の頻度はプラセボ群と同等と報告されています。

Q心臓手術を受ける予定の赤ちゃんは特別な対応が必要ですか?

はい。心肺バイパスを用いた心臓手術後は血中ニルセビマブ濃度が低下するため、術後安定後に補充投与が推奨されています(ガイドライン・添付文書)。投与から90日未満の場合と90日以上経過の場合で用量が異なります。詳細は担当小児科・心臓外科医師にご確認ください。

Qアブリスボ接種後の早産リスクが心配です

MATISSE試験の南アフリカのサブグループで早産がやや多い傾向が報告されましたが(RR 2.06、統計学的有意差なし)、米国・フランス・スコットランドなど高所得国のリアルワールドデータでは有意な早産リスクの増加は確認されていませんJAMA 2026フランス国家コホート 2025)。2026年現在のpost-marketing調査(米国Vaccine Safety Datalink・フランス国家コホートなど)でも、妊娠28〜36週接種での早産リスク増加は認められていません。横浜市の定期接種で推奨している妊娠28〜36週の接種タイミングはこの安全性データを踏まえたものです。懸念がある方は担当産科医師にご相談ください。

Qダウン症候群の赤ちゃんはニルセビマブを保険で使えますか?

はい。日本小児科学会ガイドラインでは、以下のいずれかを有するダウン症候群の乳幼児(24か月齢以下)を対象に、ニルセビマブによる重症化抑制を保険で推奨しています:①気道狭窄・肺高血圧などの解剖学的/機能的異常、②ウイルス・呼吸器感染症による入院歴、③リンパ球・T細胞減少、④先天性心疾患の合併。具体的な適用は担当医師にご確認ください。

Q他のワクチンと同時に接種できますか?

ニルセビマブ(ベイフォータス)については、臨床試験でBCG・インフルエンザ・麻疹/風疹/水痘・ロタウイルス・DPT含有混合ワクチン・肺炎球菌・B型肝炎の7種類のワクチンとの同日または前後投与において安全性に明らかな問題はなかったと報告されています(添付文書・ガイドライン記載)。アブリスボについては、横浜市公式リーフレットで「医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができます」と案内されています。個別の可否は接種医療機関でご確認ください。

🏥当院からのご案内

戸塚クリニックは予防接種・内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科・小児科を診療しています。アブリスボ(RSウイルス母子免疫ワクチン)の妊婦公費接種、および高齢者を対象とした自費接種を実施しています。診療のご予約はWebでも承っています。ワクチン接種のご予約はお電話にてお願いします(TEL: 045-864-2110)。

ベイフォータス(ニルセビマブ)の投与は当院では行っておりません。早産児・心疾患児・ダウン症候群などハイリスク児へのニルセビマブ投与については、担当の小児科医にご相談ください。

⏱️ アブリスボ接種後の30分観察について

横浜市公式リーフレット(2026年2月版)でも「接種後30分間は病院内で様子をみましょう」と明記されています。まれなアナフィラキシー等の有害事象に迅速に対応するための重要な措置です。接種後はあわてて帰宅せず、必ず実施医療機関の指示に従ってください。

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📚 参考文献・情報源

🏛 自治体資料・公的資料

  1. 横浜市医師会 地域保健事業部「令和8年度横浜市RSウイルス母子免疫ワクチン接種(定期接種)の対象者及び使用ワクチンの確認について」令和8年3月6日
  2. 横浜市. RSウイルス母子免疫ワクチン接種 公式案内ページ(2026年3月9日更新). 横浜市公式サイト
  3. Fleming-Dutra KE, et al. Use of the Pfizer RSV Vaccine During Pregnancy. MMWR 2023;72(41):1115-1122. doi:10.15585/mmwr.mm7241e1

📖 学会ガイドライン(GL)

  1. 日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会「日本におけるニルセビマブの使用に関するコンセンサスガイドライン」2025年8月31日改訂版. PDF全文

📊 査読論文(母体ワクチン)

  1. Simões EAF, et al. Prefusion F Protein-Based RSV Immunization in Pregnancy(Phase 2b). NEJM 2022;386:1615-1626. doi:10.1056/NEJMoa2106062
  2. Phijffer EW, et al. RSV Vaccination During Pregnancy. Cochrane Database Syst Rev 2024;5:CD015134. doi:10.1002/14651858.CD015134.pub2
  3. McLachlan I, et al. Effectiveness of the Maternal RSVpreF Vaccine – Scotland. Lancet Infect Dis 2025. doi:10.1016/S1473-3099(25)00624-3
  4. Michnick AI, et al. Interim Safety of RSVpreF Vaccination During Pregnancy. JAMA 2026. doi:10.1001/jama.2025.23452
  5. Gabet A, et al. Maternal and Neonatal Outcomes After RSVpreF Vaccination – France. Obstet Gynecol 2025. doi:10.1097/AOG.0000000000006121
  6. Jasset OJ, et al. Enhanced Placental Antibody Transfer Efficiency With Longer Interval. AJOG 2025;232(6):554.e1-15. doi:10.1016/j.ajog.2024.10.053

📊 査読論文(ニルセビマブ)

  1. Hammitt LL, et al. Nirsevimab for prevention of RSV in healthy late-preterm and term infants(MELODY試験). NEJM 2022;386:837-846. doi:10.1056/NEJMoa2110275
  2. Jabagi MJ, et al. Nirsevimab vs RSVpreF Vaccine for RSV-Related Hospitalization in Newborns(フランス観察研究). JAMA 2025. doi:10.1001/jama.2025.24082
  3. Munro APS, et al. 180-day efficacy of nirsevimab against RSV hospitalisation (HARMONIE). Lancet Child Adolesc Health 2025;9(6):404–412. doi:10.1016/S2352-4642(25)00102-6
  4. Sumsuzzman DM, et al. Real-world effectiveness of nirsevimab: systematic review and meta-analysis. Lancet Child Adolesc Health 2025;9(6):393–403. doi:10.1016/S2352-4642(25)00093-8

📌 PMDA 添付文書

  1. ベイフォータス®添付文書(2024年3月26日承認). PMDA 製品ページ
  2. アブリスボ筋注用 添付文書. PMDA 製品ページ

👨⚕️
村松 賢一(むらまつ けんいち)
戸塚クリニック 院長 / 予防接種・内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科・小児科
本記事は①横浜市医師会通知(令和8年3月6日付)・横浜市公式リーフレット(2026年2月版)、②日本小児科学会「日本におけるニルセビマブの使用に関するコンセンサスガイドライン」(2025年8月31日改訂版・Q&A第3版)、③2024〜2026年の国際査読論文(NEJM, Lancet, JAMA, Cochrane等)、④post-marketing surveillance(米国VSD・フランス国家コホート等)、⑤第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料に基づき作成しています(2026年3月13日)。医療情報は常に更新されます。接種・投与の判断は必ず担当医師にご相談ください。

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