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妊娠中のカロナール(アセトアミノフェン)と自閉症リスクについて|2025年12月時点でのエビデンスに基づく医学的見解
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【横浜・戸塚駅西口 徒歩10分/駐車場あり】
内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科|戸塚クリニック
(院長:村松 賢一)

当院は「内科のかかりつけ」として、
高血圧・糖尿病などの生活習慣病や体調不良、
甲状腺を含む内分泌のご相談まで幅広く対応しています。

予約優先制ですが、予約なしでも受診可能です。
(予約をおすすめする理由は待ち時間を短くするためです。
混雑時はお待ちいただく場合がありますが、症状に合わせて柔軟に対応します)

症状が気になる方は、ご都合のよいタイミングでお越しください。

▶ WEB予約(24時間受付)
https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08287

▶ クリニック案内
https://www.totsukaclinic.com

妊娠中に頭痛・発熱・腰痛などが生じた際、多くの産婦人科で「カロナール(アセトアミノフェン)なら使用可能です」と説明されることが多いと思います。

一方で近年、SNSや一部のニュースで「妊娠中にアセトアミノフェンを使用すると、子どもの自閉スペクトラム症(ASD)やADHDのリスクが上がるのではないか?」という情報が拡散され、不安を感じている妊婦さんが急増しています。

当院でも、この話題は診察室で頻繁にご相談いただく重要なテーマの一つであり、これまでブログでも複数回取り上げてきた「妊娠中のお薬」に関する代表的なご相談項目です。

2024年から2025年にかけて、国際的な大規模研究や専門学会から新たな知見・声明が相次いで発表され、この問題に関する医学的な見解は、以前よりも整理されてきています。
「お腹の赤ちゃんのために我慢すべき?」
「すでに飲んでしまったけれど、大丈夫?」
こうした不安を少しでも軽くするために、2025年時点での最新エビデンスに基づく医学的見解を整理してお伝えします。

目次:この記事の内容

結論:因果関係を支持する十分な根拠は乏しい

お忙しい方のために、先に医学的な整理をお伝えします。
2024〜2025年に発表された大規模な疫学研究や、米国の主要医学会(ACMT・ACOG など)の声明では、おおむね次のような見解が示されています。

✅ 現時点の医学的見解

  • 現在利用可能なエビデンスにおいて、妊娠中のアセトアミノフェン使用と自閉スペクトラム症(ASD)との因果関係を支持する十分な根拠は見いだされていない。
  • 妊娠中の痛みや発熱に対して広く用いられており、適切な条件下で使用する限り、比較的安全性がよく確認されている選択肢の一つと考えられている。

当院でもこれらの知見を踏まえ、「必要なときには我慢しすぎず、用法・用量を守ってアセトアミノフェンを使用する」という方針で診療・説明を行っています。

1|なぜ「リスクがある」という情報が広がったのか?

過去に行われたいくつかの観察研究では、「アセトアミノフェンを使用した妊婦さんの子どもでは、発達障害の診断率がやや高い」という結果が報告されたことがあります。

しかし現在では、こうした結果には「見かけ上の関連」が含まれていた可能性が高いと考えられるようになってきました。

原因は「薬」ではなく「飲む理由」

薬そのものではなく、「高熱・ウイルス感染・体内の炎症」といった、「薬を使わざるを得なかった原因」のほうが、胎児の脳の発達に影響していた可能性があります。

遺伝や環境の影響(交絡因子)

また、アセトアミノフェンを比較的よく使用する家庭の生活環境や体質・遺伝的背景が、たまたま ASD などのリスクと重なっていた可能性もあります。
つまり、「薬の直接的な影響」と断定するには、さまざまな要因が十分に調整されていなかったという問題点が指摘されてきました。

2|近年の“兄弟間比較研究”が示したこと

こうした課題に対し、より厳密な検証を行うために実施されたのが、2024年に医学誌『JAMA』に掲載された大規模な兄弟間比較研究(Ahlqvist ら)です。

❌ 従来の研究(他人比較)

👩‍🦰💊 vs 👩‍🦱🍵

「Aさん」と「Bさん」を比較。
元々の体質や環境が違うため正確ではない。

➡ わずかなリスク上昇がみられた

⭕️ 今回の研究(兄弟比較)

👩‍🦰 から生まれた
👦💊 vs 👶🍵

「同じ家族の兄弟」(薬を使用した妊娠と、使用しなかった妊娠)を比較。

➡ リスクの上昇は認められなかった

一般的な解析ではわずかなリスク上昇が見られましたが、兄弟間比較(家族要因を調整した解析)を行ったところ、ハザード比 0.98(≒差がない範囲)という結果でした。
このことから、過去に報告されたリスクは、薬そのものではなく家族背景や基礎疾患などの要因によるものであった可能性が高いと考えられるようになっています。

3|主要な医学会の声明(2025年時点)

こうした最新のデータを踏まえ、各国の専門機関は以下のような見解を示しています。

  • ACMT(米国医療中毒学会)
    現時点で因果関係を支持する十分な根拠はないとし、妊娠中においても適切な条件で使用する限り、選択肢の一つとして妥当と考えられるとしています。
    (参照:ACMT Position Statement 2025
  • ACOG(米国産婦人科医会)ほか
    アセトアミノフェンは妊娠中に使用し得る解熱鎮痛薬として広く用いられており、適切な条件下での使用は推奨されるとしています。
    一方で、NSAIDs(ロキソニン等)は妊娠後期に胎児の循環等へのリスクがあるため注意が必要です。
    (参照:ACOG News Release

4|高熱を放置することのリスク

「薬が怖いから」と、発熱や強い痛みを我慢してしまう方も少なくありません。
しかし、母体の高熱については、過去の研究から特に妊娠初期に高熱が持続する場合などに、胎児の神経管閉鎖障害や早産などのリスクが高まる可能性が示唆されています。

妊娠中は、「痛みや熱を適切にコントロールし、母体の状態を整えること」が、結果的に赤ちゃんにとっても好ましい環境につながると考えられています。

5|当院での考え方と、使用上の注意

当院では、最新のエビデンスと各学会の見解を踏まえ、以下のような方針で診療・説明を行っています。

✅ 使用を検討する目安

  • つらい頭痛・腰痛・発熱などがあり、日常生活に支障がある場合は、無理をせず使用を検討します。
  • 自己判断での長期連用や多量服用は避けてください。

✅ 用量と副作用について

日本で使用されるアセトアミノフェン製剤では、通常1回300〜500mgが処方されることが多いです。
【重要】いずれの薬にも副作用はあり、アセトアミノフェンも過量に内服した場合には肝機能障害などのリスクがあります。自己判断での増量や、表示用量を超えた服用は避け、必ず処方内容に従って使用してください。

💡 今回の記事のまとめ

  • 📌 最新の高品質な研究(兄弟間比較)では、自閉症リスクの上昇は認められていません。
  • 📌 過去のリスク報告は、薬ではなく家族要因などによるものであった可能性が高いです。
  • 📌 主要な専門学会も、適切な条件であれば使用は妥当とする見解を示しています。
  • 📌 高熱を放置するリスクもあるため、適切なコントロールが重要です。

現在わかっている医学的知見からは、必要な場面で適切にアセトアミノフェンを使用したことに対し、過度な罪悪感を抱く必要はないと考えられます。

「自分の場合は使ってもよいのか知りたい」「すでに飲んでしまったが心配」といった場合には、かかりつけの産婦人科医、または当院でもご相談をお受けしています。
お一人で抱え込まず、専門家と一緒に最適な方法を考えていきましょう。

当院の診療・ご相談の予約については、
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主な参考文献・エビデンス
1. Ahlqvist VH, et al. Acetaminophen Use During Pregnancy and Children’s Risk of Autism, ADHD, and Intellectual Disability. JAMA. 2024;331(14):1205-1214.
2. Sheikh J, et al. Maternal Paracetamol Use During Pregnancy and Risk of Autism… Umbrella Review. BMJ. 2025;391:e088141.
3. American College of Medical Toxicology (ACMT). Position Statement: ACMT Supports the Safe Use of Acetaminophen in Pregnancy (2025).
4. Damkier P, et al. Acetaminophen in Pregnancy and ADHD and ASD. Obstet Gynecol. 2025;145(2):168-176.
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戸塚クリニックでは、戸塚駅周辺にお住まいの妊婦さんを中心に、妊娠中の頭痛・発熱時の薬物療法(アセトアミノフェン処方など)に関するご相談を随時受け付けています。泉区からのアクセスも良好です。不安なネット情報に惑わされず、まずはご相談ください。

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