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甲状腺の病気は、心臓まで診て初めて“治療完了”です
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【横浜・戸塚駅西口 徒歩10分/駐車場あり】
内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科|戸塚クリニック
(院長:村松 賢一)

当院は「内科のかかりつけ」として、
高血圧・糖尿病などの生活習慣病や体調不良、
甲状腺を含む内分泌のご相談まで幅広く対応しています。

予約優先制ですが、予約なしでも受診可能です。
(予約をおすすめする理由は待ち時間を短くするためです。
混雑時はお待ちいただく場合がありますが、症状に合わせて柔軟に対応します)

症状が気になる方は、ご都合のよいタイミングでお越しください。

▶ WEB予約(24時間受付)
https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08287

▶ クリニック案内
https://www.totsukaclinic.com

 

 

甲状腺の病気は、心臓まで診て初めて“治療完了”です

―「数値は良いと言われたのに不調が残る」その理由を整理します―

「甲状腺の数値は良くなったと言われたのに、動悸が続く」
「動悸が心配で循環器内科を受診したら、内分泌内科に回された」
「息切れや不安感が、なかなか取れない」

こうした経過は、決して珍しいものではありません。
理由はシンプルです。
甲状腺ホルモンは代謝を調整するホルモンであると同時に、心臓と血管に直接作用するホルモンだからです。

この点は、古典的レビューである Klein & Ojamaa(NEJM, 2001)や、Razviらの総説(JACC, 2018)でも、甲状腺ホルモンが心拍数・収縮力・血管トーンに直接影響することが詳述されています。
👉 [Ref] NEJM 2001
👉 [Ref] JACC 2018 (Mechanism)

※本記事でいう「治療完了」とは
そのため、TSH(甲状腺の数値)が基準範囲に入った = 心臓まで含めて完全に安心、とは必ずしも言えないことがあります。
本記事では、この「見逃されやすいリスク」について解説します。

結論から:甲状腺は「採血だけ」で完結しないことがあります

甲状腺ホルモンが多すぎても(甲状腺機能亢進症)、少なすぎても(甲状腺機能低下症)、心臓には負担がかかり得ます。
特に甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)では、以下のリスクが問題になります。

  • 動悸・頻脈
  • 心房細動(AF)
  • 心不全
  • 脳梗塞などの脳卒中リスク

この整理は、Wiersinga らによる最新の総説(Lancet Diabetes & Endocrinology, 2023)とも一致します。
👉 [Ref] Lancet Diabetes Endocrinol 2023

ここで重要なのは、「甲状腺が治れば、不整脈も必ず治る」とは言い切れないという点です。

30秒セルフチェック

当てはまる方は「心臓の評価」も安心材料になります

  • 甲状腺の治療中・治療後なのに、動悸や息切れが残る
  • 脈が不規則、飛ぶ感じがする
  • 階段や坂道で以前より息切れしやすい
  • 不安感が強く、パニック発作のように感じることがある
  • スマートウォッチで不整脈・心房細動の通知が出た
  • 高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸、心臓病や脳卒中の家族歴がある
※強い胸痛、冷汗、呼吸困難、意識が遠のく感じがある場合は、迷わず救急要請(119)も含めてご検討ください。

甲状腺機能亢進症と心房細動:「治ったら必ず消える?」への医学的な答え

答え:多くは改善しますが、ゼロではありません。

甲状腺機能亢進症に伴う心房細動(いわゆる甲状腺性AF)は、原因が是正されれば改善することが多い不整脈です。
実際、2023 ACC/AHA/ACCP/HRS 心房細動ガイドラインでも、“hyperthyroidism-associated AF is often reversible after restoration of euthyroidism, but not always” と明記されています。
👉 [Ref] JACC 2023 AF Guideline

一方で、一定の割合で心房細動が持続または再発することも、複数の研究で示されています。
代表的な研究として、Siu らの報告(Am J Cardiol, 2009)では、甲状腺機能正常化後もおおむね 2〜3割程度(条件によっては2〜4割程度)でAFが残る、という「見え方」が示されています。
👉 [Ref] Am J Cardiol 2009

この割合は一律ではなく、以下の条件があるほどリスクは高まります。

  • 高齢
  • もともと心臓に病気がある
  • 心房細動が長期間続いていた

つまり、「TSHが正常化した = 心臓の評価も終了」ではない、という点が医学的に重要です。

甲状腺機能低下症でも、心臓は影響を受けます

甲状腺機能低下症(橋本病など)では、心臓は「静かな省エネ状態」になります。

  • 徐脈
  • 心収縮力・拡張能の低下
  • むくみ、だるさ
  • 脂質異常を通じた動脈硬化リスクの上昇

さらに重症化すると、粘液水腫(myxedema)と呼ばれる状態に至り、循環不全や心不全を引き起こすことがあります。
頻度は高くありませんが、命に関わることもあるため、言葉として知っておく価値があります。

「TSHが基準範囲」でも、心電図やホルターが安心材料になることがあります

甲状腺の採血は治療の基本であり、最も重要です。
ただし、症状が残る方では、採血だけでは拾いきれない情報があります。
そのため当院では、必要に応じて以下を組み合わせ、甲状腺と心臓を切り離さずに評価します。

  • 心電図
  • ホルター心電図(24時間心電図)
  • 心エコー

これは診断を断定するためではなく、「大きな問題がなさそうだ」という安心材料と、見逃されやすい心臓リスクの早期発見の両方を目的としています。

👨‍⚕️ 院長の臨床経験から

病院勤務時代、心房細動に対するカテーテル治療(アブレーション)目的で紹介され、入院予約まで進んでいた患者さんが、後日判明した採血で甲状腺機能亢進症が背景に見つかり、治療方針が大きく変わったケースを複数経験しました。

まずは甲状腺の治療を優先し、心臓への負担を減らしたうえで再評価する。
この判断が、患者さんの身体的・精神的負担を減らすことにつながります。

・動悸や不整脈を診るときは、甲状腺を必ず鑑別に入れる
・甲状腺を診るときは、心臓の状態もセットで考える

横浜・戸塚で「甲状腺 × 循環器」を一括で診るということ

「甲状腺の数値は良いはずなのに、体調が戻らない」
そんなときは、甲状腺だけでなく、心臓からのサインが重なっている可能性があります。

なお、当院では甲状腺疾患に限らず、若年層で心不全に至った症例についても院長ブログで解説しています。
循環器内科として、幅広い年代の心臓リスクに対応しています。

関連記事 【戸塚】息が苦しくて倒れそうに…20代ママの心不全 産後の息切れと思ったら重篤な心不全だった事例。若い世代でも心臓の不調は起こり得ます。詳しくはこちら。

不安な症状がある方は、
甲状腺と心臓の両方の視点で、一度ご相談ください。

参考文献(Selected References|医療従事者向け)

※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としています。個人の症状については医療機関でご相談ください。

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