2025/09/05
第5回ブログ
どちらの帯状疱疹ワクチンが良い? ~横浜市の助成開始にあたって~
こんにちは、戸塚クリニック院長の村松賢一です。
横浜市では2025年7月から、帯状疱疹ワクチンの助成制度が始まりました。
患者さんからは「どちらのワクチンを選べばいい?」「もう接種したけれど次はどうすれば?」といったご相談が増えています。
今回のブログでは、生ワクチン(ビケン) と 不活化ワクチン(シングリックス) の違いと選び方を、わかりやすく整理しました。
結論(まずはこれ)
多くの方は「シングリックス」がおすすめです。
理由は、**発症予防効果が非常に高い(90%以上)**うえ、**効果が長く続く(10年以上の持続が確認)**からです。免疫が弱い方でも接種できます。
ただし、**費用と回数(2回接種)**の負担が気になる場合は、生ワクチン(1回接種・自己負担が少なめ)を選ぶのも現実的です。
横浜市の助成(自己負担の目安)
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生ワクチン:4,000円(1回)
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シングリックス:10,000円(1回×2=計2万円)
助成を使うには年度内(~翌年3/31)に完了が必要です。シングリックスは2回必要なので、年内に1回目を打つのが安心です。
こんな人は「シングリックス」が向いています
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しっかり長く予防したい方
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免疫が弱い/免疫抑制治療中の方
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帯状疱疹後の神経痛が心配な方
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認知症リスク低下の可能性にも期待したい方
こんな人は「生ワクチン」も選択肢です
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費用を抑えたい/1回で済ませたい方
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接種後の腕の痛みや発熱をなるべく軽くしたい方
※生ワクチンは時間とともに効果が下がりやすいことが分かっています。
すでに接種した方への対応
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生ワクチンを接種済みの方
→ 5年ほどで効果が弱まるので、シングリックスを追加すると安心です。 -
シングリックスを2回完了した方
→ 10年近く効果が続くので、当面は追加不要です。 -
シングリックスを1回だけ接種した方
→ 必ず2回目を完了してください(通常は2~6か月以内)。 -
帯状疱疹にかかったことがある方
→ 再発を防ぐため、発疹が治っていればシングリックス接種を検討できます。
年齢と接種の考え方
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65歳や70/75/80歳で案内が届いた方
→ この機会にシングリックスが第一候補。年度内に2回接種を終えましょう。 -
60代前半で助成対象まで数年ある方
→ 「待つ間に発症するリスク」を考え、早めに自費で接種するか、今生ワクチン→数年後に助成でシングリックスという方法もあります。 -
50代の方
→ 発症例が増える年代です。助成まで10年以上あるので、自費で早めにシングリックスを受けるのも有効です。
研究トピック
帯状疱疹ワクチンを接種した人は、将来の認知症発症が少ない傾向を示す海外研究が報告されています。
はっきりした因果関係はこれからの研究を待つ必要がありますが、**「脳の健康を守る可能性」**が期待されています。
戸塚クリニックからのご案内
当院では、生ワクチン・シングリックスどちらも接種可能です。
助成の手続きやスケジュールもサポートいたします。
「どちらを選べばいいか」「副反応が心配」といったご相談もお気軽にどうぞ。
📞 ご予約・お問い合わせはお電話で承ります。
予診票をお持ちの方は、受付にご提示ください。
帯状疱疹は予防できる病気です。
この機会にぜひワクチン接種をご検討ください。