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16時間断食は本当に痩せる? ― Cochrane 2026レビューで判明した「減量効果」の現在地 ―
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【横浜・戸塚駅西口 徒歩10分/駐車場あり】
内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科|戸塚クリニック
(院長:村松 賢一)

当院は「内科のかかりつけ」として、
高血圧・糖尿病などの生活習慣病や体調不良、
甲状腺を含む内分泌のご相談まで幅広く対応しています。

予約優先制ですが、予約なしでも受診可能です。
(予約をおすすめする理由は待ち時間を短くするためです。
混雑時はお待ちいただく場合がありますが、症状に合わせて柔軟に対応します)

症状が気になる方は、ご都合のよいタイミングでお越しください。

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16時間断食とCochrane 2026レビューの解説アイキャッチ
医師の視点から、断食に関する医学的知見を網羅的に整理し、具体的な実践法を提示します。

医学情報:2026年2月更新

16時間断食は本当に痩せる?
― Cochrane 2026レビューで判明した「減量効果」の現在地 ―

世界的なエビデンス集積組織であるCochrane(コクラン)より、2026年、間欠的断食に関する重要なレビューが更新されました。巷にあふれる断食情報について、「結局、医学的事実はどこにあり、どう向き合うべきなのか」。現在の臨床知見の整理と、具体的なアクションプランをお伝えします。

先に結論 この記事の要点

  • 間欠的断食で、燃料源が糖からケトン体へ移行する生理学的な「代謝スイッチ」が起こることは合理的です。
  • 臨床試験の統合結果によれば、体重減少効果は通常の継続的カロリー制限(CR)と「ほぼ差がない」と報告されています。
  • 成否を分けるのは手法の名称ではなく、個人の生活に適合し、無理なく継続できる「エネルギー収支のマイナス」の維持にあります。
  • 糖尿病治療中の方や高齢者が自己流で行うことは、低血糖や筋肉量減少(サルコペニア)のリスクを伴うため医師による適切な管理が推奨されます。

※本記事は一般向け解説です。個別の診断・治療は主治医とご相談ください。薬を使用中の方は食事変更でリスクが上がることがあります。


間欠的断食(IF)のプロトコル整理:TRE・ADF

「16時間断食」は、間欠的断食(Intermittent Fasting:IF=周期的に断食を行う方法)のプロトコルの一つです。主に以下の手法が臨床研究で比較されています。

名称・略語 内容解説 臨床的な特徴 [引用]
TRE
Time-Restricted Eating
時間制限食:1日の摂食時間を制限(例:16:8)。 生活に取り入れやすく、代謝改善の報告が多い手法です12
iTRE
early TRE
早い時間の時間制限食:夕食を早め、食事を朝〜夕方に寄せる手法。 短期的な耐糖能改善が報告されています8
ADF
Alternate-Day Fasting
隔日断食:断食日と摂食日を交互に設ける。 短期の減量幅は大きい傾向にありますが、長期維持が課題です5

代謝スイッチ:体内で起こるエネルギーの転換

間欠的断食が医学的な注目を集める背景には、燃料源の切り替え現象である代謝スイッチ(Metabolic Switching)があります。

断食によるエネルギー利用の変化(代謝スイッチ)を示す図
図①:断食開始から約8〜12時間で起こるエネルギー源の転換。ケトン体は細胞修復を促すシグナルとしても機能します1

食事を止めて一定時間が経過すると、肝臓の糖(グリコーゲン)が枯渇し始め、体は脂肪を分解して作られるケトン体を代替エネルギーとして利用し始めます2。 これにより脂肪燃焼の効率化や、細胞の自浄作用であるオートファジー、抗炎症作用、酸化ストレスの抑制といった適応的ストレス応答が引き起こされます7。これらは効率的なエネルギー産生や疾患予防に寄与する可能性が基礎研究で議論されています3

💡 医師からの一言:
この「代謝スイッチ」は非常に魅力的ですが、移行期に「十分なタンパク質摂取」と「適切な運動」が不足すると、脂肪と一緒に大切な筋肉量まで落ちてしまいます。自己流断食によるフレイル(虚弱)進行には注意が必要です。

Cochrane 2026:臨床エビデンスによる客観的評価

合理的機序がある一方で、実際の人間で劇的な減量差が出るかは別の話です。 2026年に更新された世界最高峰の研究統合機関 Cochrane(コクラン)レビューは、過体重・肥満の成人22試験(1,995人)を統合し、厳しい評価を下しています9

  • 減量効果:通常の継続的カロリー制限(CR)と比較して、統計的に有意な差は認められなかった(little to no difference差は小さい/ほぼ差なし)。
  • QOL(生活の質):断食によって生活の満足度が向上するという明確な証拠はない。
  • 血糖指標:HbA1c(過去1〜2か月の血糖の平均を反映する指標)の改善も、長期的にCRを上回るメリットは限定的であり、糖尿病の寛解率もCRと同等である11

本領域のネットワークメタ解析(BMJ 2025)や長期的な追跡調査(Obesity Reviews 2025)でも、特定の断食パターンが従来法を明確に上回る臨床的証拠は不十分であることが強調されています2, 6

エビデンス階層:機序の合理性と実臨床の結果

研究レベル IF(断食)の評価状況 臨床的な意味
機序レベル
(基礎研究)
代謝スイッチや適応的ストレス応答が確認されている。 仕組みとしては合理的である。
臨床試験レベル
(RCT/メタ解析)
体重やHbA1cの改善が見られるが、通常制限(CR)と同等13 どちらも有効だが、手法よりエネルギー収支が重要8
長期予後レベル
(追跡調査)
心血管疾患(CVD)の予防効果。 介入研究が不足しており、因果関係を評価できる段階にありません10

外来の視点:成功パターンと崩れやすい習慣

断食の成否を分ける生活習慣の比較図
図②:仕事が遅い日の深夜食や、空腹反動による過食(ドカ食い)は、断食のメリットを容易に相殺し、リバウンドを招きます。
  • 成功しやすい例:夜間の間食が課題の方が、TREによって夜の摂取をルール化して制限し、無理なくエネルギー摂取量を抑えられた場合。
  • 崩れやすい例:断食時間の反動で、摂食ウィンドウ(食べる時間)中にドカ食いや栄養密度の低い食品摂取が増えてしまう場合。

結局どうしたら良いの? 医師が勧める3ステップ

「自分には何が適しているか?」に対する、当院からの具体的な処方箋です。

1
まずは「12時間断食」から始める
例:夜19時に夕食を終え、翌朝7時に朝食を摂る。これだけで夜間の余計な間食が減り、内臓が適正に休息します。16時間の前に、まずはこのリズムを完璧にしましょう。
2
手法は「ストレスが少ない方」を選ぶ
医学的には断食(IF)もカロリー制限(CR)も減量効果は同等です13。自分が管理しやすい方を選んでください。「無理のなさ」がリバウンドを防ぐ最大の鍵です。
3
「食事の質」と「筋肉」をセットで考える
時間を制限しても、中身が菓子パンばかりでは代謝は改善しません。タンパク質を確保し、週2回のスクワット等の運動を。これがリバウンドを防ぐ医学的な正解です4

安全性:特に注意が必要な方への警告

⚠️ 以下の持病をお持ちの方は、自己判断での開始は絶対におやめください

  • 糖尿病治療中の方:重篤な低血糖の恐れがあります11
  • 心疾患・高血圧の方:脱水や電解質バランスの急変により、不整脈や血圧の不安定化を招く可能性があります10
  • 高齢の方:タンパク質摂取不足による筋肉減少(サルコペニア)のリスクがあります。

※食事療法の大きな変更は、個別疾患の管理下では医師による適切な指導が必須です4

参考文献一覧

全13件の参考文献を表示してエビデンスを確認する
  1. 1. NEJM (2019): Intermittent Fasting on Health, Aging, and Disease
  2. 2. BMJ (2025): Network Meta-Analysis of IF vs CR
  3. 3. J Clin Med (2023): Metabolic Homeostasis Regulation
  4. 4. Nat Commun (2025): Adaptations to 6-Month IF
  5. 5. Nutr Rev (2025): Comparison of IF Patterns
  6. 6. Obesity Reviews (2025): Longer-Term Effects on Body Composition
  7. 7. Nutrients (2025): Biological Effects of IF
  8. 8. Nature Medicine (2023): iTRE versus calorie restriction
  9. 9. Cochrane (2026): IF for adults with overweight or obesity
  10. 10. Cochrane (2021): IF for the Prevention of CVD
  11. 11. AJCN (2023): CR and Type 2 Diabetes Remission
  12. 12. J Nutr (2025): TRE in Metabolic Health
  13. 13. J Acad Nutr Diet (2023): Isocaloric IF vs Daily CR

🏥 横浜・戸塚区周辺にお住まいの皆様へ

医学的研究は、手法の優劣以上に「個々の生活に適合した、安全で持続可能なスタイル」への個別化が重要であることを示しています。

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「どの方法が今の自分に最適なのか分からない」「健康診断でHbA1cや脂質の値を指摘された」「リバウンドを繰り返している」

こうした迷いや不安は、すでに医師に相談すべきタイミングです。横浜市戸塚区の戸塚クリニックでは、血液検査や生活習慣を詳細に分析し、医学的根拠(エビデンス)とあなたの日常を繋ぐ、オーダーメイドの健康設計を共に作り上げます。無理な自己流で健康を損なう前に、ぜひ当院へご相談ください。

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